古くからのファンには懐かしい、コンサート限定オリジナルの「あいつとギター」(1982)である。「宏美さんの歌でわかるスリーコードの役割」のブログの際に少し触れたが、客席からギターが弾ける人を募って舞台上で伴奏してもらう、という企画であった。作詞・作曲者不詳(笑)。もしかすると当時のスタッフかも知れない。

 

 このたび装いも新たに増補版が出た眞峯隆義氏の『岩崎宏美論』でも、この曲については若干の紙数を割かれているので、是非そちらもご参照いただきたい。

 

 『岩崎宏美論』の内容とかぶらないように少しご紹介しよう。お仲間から借りた懐かしい音源を聴いて、私も当時の宏美さんのMCを思い出した。

 

 まず、「皆さんほとんどご存知ないと思いますが、私には良美という妹がいます」と笑いを取る。台本があるらしく若干無理のある内容だが、姉妹ゲンカをした時の会話、という設定で話が進む。お互いに自分のファン自慢をいろいろして、最後に宏美さんが「じゃぁ、ヨシリンのファンは歌の伴奏してくれる?」と言うと、さすがのヨシリンも降参。という訳で、「今日はどうしてもどなたかに伴奏してもらわないといけないんです!」という話の流れだ。

 

 ギターのC(ドミソ)・G(ソシレ)・F(ファラド)のスリーコードさえ押さえられれば良いという。挙手した人の中から宏美さんが指名し、ステージ上で宏美さんの歌の伴奏(夢のようですね✨)。ギターは予算の関係であげられないけど、今日の録音テープを記念にお持ちください(その方が良いに決まってる❣️)、という訳である。

 

 以前のブログの際、sounanoyowatasi さんが聴き取り、書き起こした貴重な歌詞をコメント欄に掲載いただいた(深謝)。その後、非公式音源(なのでアップはできません。残念😩)を借りることができたので、譜面を起こしたので紹介する。懐かしく思っていただければ幸いである。なお、不鮮明な音源だったので、sounanoyowatasi さんのメモと照らし合わせても、ハッキリ判らない箇所があった。譜面に書いた歌詞も、確信はないので、お気づきの点あればご指摘ください。

 

 

 歌詞の中でも「3つだけしか弾けないコード」と言っているが、バックの演奏を聴いていると、C・G・F以外に、G7 (ソシレファ)やC7 (ドミソシ♭)、つまり三和音ではなく四和音も使用しているように聞こえる。Cメジャーの曲なので、GとG7の役割はほとんど同じだから無問題。C7は、次がFになる5小節目では、ドミナントモーションとなるので使えるが、1小節目のCはC7とすると不自然になる。

 

 宏美さんの歌も、客席の手拍子に合わせて、気軽に楽しんでおられるように聞こえる。音域も下のG〜真ん中のAと狭くて低い。コミカルな歌詞内容に合わせ、お茶目な歌い方も聞かせてくれる。「♪ 凄いぞ 絶対スターになれる!」はシャウト。最後のスキャットの「♪ ライライライラライライ〜」は何度も繰り返されるのだ。

 

 

 1982年3月31日、厚木市文化センター。その日のコンサートで私は初めてこの「あいつとギター」を聴いた。その時ほど、ギターが弾けないことを悔やんだことはない。今にして思えば、私はヘタレだった。現在の性格だったら、絶対にそれから死ぬ気でギター(スリーコードのみ!)を練習して、次のコンサートに臨んで挙手していたことだろう。

 

 それからずっと後、私は何を思ったか三十の手習いでギターの練習を開始。スリーコードに毛の生えたくらいの曲なら一応弾けるようにはなった。宏美さん、またこういう企画、やっていただけませんか?😜

 

(1982年 コンサートツアー曲)

 

【2021.2.23 追記】

さっそくブログ外からコメントいただきました❣️私が『????』とした不明箇所は『マイコン』だそうです。

それから、2箇所歌詞違いが指摘されましたが、途中で変更された可能性が高いと思われます。『あなたにあわせて』→『あなたにつきあい』と、『ゆめをすてないでーね』→『きをおとさないでーね』だったそうです。

Aさん、情報ありがとうございました❣️😊