宏美さんと真知子さんとは、プライベートでもとても親しくされている。宏美さんが一番元気がなかった頃も、真知子さんが励まし、支えてくれたそうだ。なので、「これから先、渡辺真知子にどんなことがあろうと、岩崎宏美がひと肌脱がせていただきます!」とまで明言されている宏美さんだ。
Facebookでも、真知子さんのご自宅で開かれた女子会の様子が紹介されていた。真知子さんのスタッフやジャズピアニストの国府弘子さんなども加わり、盛り上がっていらっしゃったようだ。
真知子さんは以前、宏美さんに歌ってもらおうと思って「愛(いのち)のゆくえ」という曲を書かれたが、宏美さんのレコーディングは実現しなかったらしい。そのあたりは、以下の真知子さんのインタビューに詳しいので、貼り付けておこう。
そしてついに実現した真知子さんによる宏美さんのための書き下ろしが、この『Love』に収められた「あなたにだから」である。宏美さんのラブコールにより、親友の大物同士のデュオが実現している(真知子さんのセルフカバーは、『いのちのゆくえ』に収録)。編曲は上杉洋史さん。演奏メンバーも、日頃宏美さんのバックで支えている面々だ。
さて。数日前「潮風がつぶやいて」で、珍しい女同士の友情がテーマ、という話をした。この歌もそれに近い主題であるが、さらに熱く深い絆を感じる内容となっている。真知子さんが、宏美さんと歌われることを念頭に書かれたらしい想いが溢れている。
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A:(宏美)家族にだって言わない事を〜
A’:(真知子)その一言に愛を感じる〜
B:(宏美)やりきれなくて 望みも消え果てて〜
C:(宏美メロ、真知子ハモ)いいよ いいよ 泣いても 私がそばにいるから〜
A:(真知子)あなたといると元気になれる〜
A’:(宏美)信じる勇気くれるあなたは〜
B:(真知子)流す涙は 生きてるあかし〜 (*最後の「♪ かけ橋」後追い宏美)
C:(真知子メロ、宏美ハモ)いいよ いいよ 泣いても 私がそばにいるから〜
D:(宏美先行メロ、真知子後追いハモ)あなたが歌う限り 私も歌うでしょう〜
C’: (宏美メロ、真知子ハモ)いいよ いいよ 泣いても 私がそばにいるから〜
C:(宏美メロ、真知子ハモ)いいよ いいよ いつでもあなたのそばに行くから〜
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お二人のパート分けは、上の通りである。2コーラス目は攻守所を変えて真知子さんに花を持たせ、他の部分は総じて宏美さんがメインとなっている。
サビのCパートは、お二人が顔を見つめ合うような優しい雰囲気に包まれた「♪ いいよ いいよ 泣いても〜」から始まる。そして、「♪ やりなおす力をとり戻すまで」では、宏美さんも力強く歌い上げている。パワフルな真知子さんからエネルギーをもらっているような感じだ。
Dの大サビでは、お二人の声がこだまするように響き合う。「♪ あなたが歌う限り 私も歌うでしょう」というフレーズでは、お互い支え合いながら歌い続けていこう、という決心が伝わって来て、聴くたびにグッと胸に迫るものがある。
最後に2度繰り返されるサビだが、1度目(C’)の入りはピアノ一本で静かに歌い出される。徐々に音数が増え、最後の「♪ 取り戻すまで」はフレーズを全く変えて大きなインパクトを与える。それが、フルバンドで演奏されるフィナーレをより感動的に演出する役目を果たしているのだ。
この歌は、2013〜14年のコンサートツアー『あなたへ〜いつまでもいつでも〜』のセットリストに入っていた。もちろん通常は宏美さんお一人で歌われるのであるが、国際フォーラムかファイナルの葛飾あたりは、私は真知子さんとのサプライズ・デュオがあるのではないか、と踏んでいた。だが、残念ながらそれは実現しなかった。
当時、どこか他所でお二人のデュオが生で披露されていたのかどうか、私は寡聞にして知らない。今からでも遅くはない。是非、このスペシャルなデュオ、生で実現していただきたいものである。
(2013.6.19 アルバム『Love』収録)
【追記 2021.1.23】anax-hiromii さんから情報いただきました。2013年5月11日、なんとツアー初日にお二人の共演、実現しているそうです❣️聴きたかったー😫
anax-hiromii さん、ありがとうございました。😊