ガ「ちょっと俺の経験談を聞いてくれる?」
へ「なになに?女を何回イカせたとかの自慢?(笑)」
ガ「いや・・・その逆なんだよ」
へ「あら、君らしくないわね。逆ってどういうこと?」
ガ「それまでイった経験がないっていう女の子だったんだけどさ、イキそうになったんだよ。そしたら突然突き飛ばされてさ、めっちゃ苦しんでたんだよ」
へ「はは~ん。いるよ。そういう子。でもね、そういう子がイクのを体験するととんでもない領域までぶっ飛ぶことがあるのよ」
ガ「どういうこと?」
へ「その子の場合の事実はわかんないけど、なんらかのトラウマを抱えていたり何かの理由でめっちゃ自己否定に陥っている場合ね。
外イキ、クリイキまではイケるんだけど、それ以上になると出てくる反応ね」
ガ「そうそう、まさにそうだったんだ。苦しむし泣きわめくし収集つかなくてさ、沈静するまで大変だったんだ」
へ「君、ビビって無理矢理なだめようとしたでしょ。それ、逆効果だからね。放っておくのが一番だったんだよね」
ガ「なにせ初体験だったからさ・・・」
へ「そうね。仕方ないよね。
そういう子たちだけじゃないと思うんだけど、『善きこと』を素直に受け入れられない子って男も女も少なくないと思うよ」
ガ「なんでなんで?いいことはそのまんまじゃん」
へ「イクのが怖いのよ。それに抵抗しているのはその子たちのダークな部分ね。RASって知ってるでしょ」
ガ「ざっくり言うと脳が重要だと判断した事以外は遮断してしまう脳の機能だよね」
へ「うん。別の言い方をすると心理的な恒常性かな。それまで慣れ親しんできた自分を取り巻く状況から抜け出すことには強烈な抵抗を示すのよ」
ガ「ま、要するに変化に対して全力で抵抗するっとことだね」
へ「だから思考や感情がガチガチに固まっていると今までイったことのない子が至福の悦びであるはずのオーガズムにさえ抵抗するのよね」
ガ「それをほどいてあげるのも男の役目ってわけだ」
へ「そういうこと。それは男にしか出来ないと思うよ」
ガ「何をどうしたらいい?」
へ「夫婦だろうがカップルだろうが、初めての相手だろうが
例えその瞬間だけだとしても、その子の存在そのものを認めて愛しいと思うことかな。そして言葉とカラダで伝えるの。イカなくてもいいんだっていう前提もいいかな」
ガ「今日は中イキの話題だと思ってたけど、腰の動かし方とかそういう事じゃないんだね」
へ「もちろんそういうことで激しくイク子もいるとは思うけど、それっていわゆる外イキのバージンアップ程度でしかないと思うよ」
ガ「じゃあ、つながったまま抱きしめ合うというか、肌と肌が触れ合う面積が多ければ多いほどいいっていう、へっこちゃん直伝のスタイルがいいね」
へ「あら、わたし直伝なの?(笑)
だって裸で抱き合ってるだけで気持ちいいじゃない。ただ肌と肌をこすりあわせるみたいに確かめ合うのって幸せな気分になっちゃうんだもん」
ガ「つまり、そういうことなんだよね。限りなく脳イキに近い状況なのかな」
へ「そうね。激しく動いて興奮を煽ったり刺激を強めてイクのとは次元が違うと思うの。快感の延長線上じゃなくて悦びのその扉の向こう側にこそあると思うよ。
だからこそその扉を開けるのが怖い子はたくさんいるわ。だって知らない世界なんだもの」
ガ「女の人ってすごいなあ。
男はその扉のそばにいて見守っていればいいんだね。
『大丈夫だよ』って」
へ「そう。
扉をあけるのは男じゃないから
そしてその扉の向こう側に入れたときに流れる涙は
感動の涙かもしれないし嬉し涙かもしれないけど
一番言えるのは
安心の涙なんだよ」