四面人格。



ねぇ、なんでだろう。
君の前じゃ素直になれない僕がいて、
君が居ないと無性に会いたくなる僕もいる。

ねぇ、どうしてだろう。
僕という人格は唯一無二のはずなのに、
僕の中に俺や私や某がいる。

泣いてる僕に笑う俺がいて、
君に会いたい僕に会いたくない私がいる。
愉悦に舌鼓する僕に絶望に凶楽する某がいる。

人は誰もが持っている二面性。
それに留まることを知らない四面性。

本当の僕は

本当の僕は何処にいるの?
テラトルナ。



唯一僕の周りを回る君がなくなったこの世界で僕の体調は著しく変化した。

急激に体温が上がり、体外に吐き出す液はそのまま僕自信を溶かす勢いで、

また在るときは全身が凍てつくほどの寒さに襲われて動くことも儘ならない程に、


僕の何十分の一にも満たない君の存在が僕には必要不可欠だった。

唯一回っていたはずの君の後釜を狙うべく無数の彼らや彼女らが集まってきた。

でも駄目なんだ。
君じゃなきゃ駄目なんだ。

一定の距離を保つ君だから、付かず離れずの距離を維持する君だから僕は変わらず居れたんだ。


彼らはいつしか僕に愛想を尽かし遠く遠くへと消えていった。

彼女らは僕に近付き過ぎて触れる前に燃え尽きて消え去った。


形は違えど無くなることには変わりなかった。

こうして僕は黒い世界に独り閉じ込められた。

彼方で揺らめく明るい変人とは関わりたくない。

アイツ無駄に暑苦しいから、、、

君は何処に行ったの?

僕を置き去りにして何処へ行ってしまったの?

みんな近付くと燃やし尽くしてしまうけど、君なら僕に辿り着ける気がするんだ。

暗闇に隠れてないで出ておいでよ。


もう君しか僕を孤独から救えないのだから。
涙星。


君は叶ったのかな?

一緒に願ったそれぞれの夢や理想を


田舎道を歩きながらふと見上げた空に

一筋の涙が流れた様な気がした


気のせいかな?

宇宙が泣く筈もない


外灯もない真っ暗な道

すぐ隣を歩く君も朧気にしか見えない

暫く無言で歩いていると何だか空がやけに騒がしい

時計の針が天辺を差した時のことだった


空一面を覆うほどの目映い閃光の数々

大号泣も良いところだ

外灯の光なんて目じゃないくらいの光達

星も月も在ったもんじゃない


隣を見るとポカンと口を開けたままフリーズする君

さっきまでは輪郭を捉えるのがやっとだったのに今ではくっきりはっきり分かる


昼間と言うにも烏滸がましいくらい綺麗な空だった


蛍を解き放つ様な淡い光りでもなく

非常灯の様に頼りない光りでもない


打ち上げ花火の様な儚さとも

太陽のような永遠さとも違う


いつの間にか硬く目を閉じ祈る君

僕は目を閉じるのが勿体無くて、
ただただ見上げる事しか出来なかった

呼吸をするのも忘れそうなくらい荘厳
唾を呑むのも忘れるほど圧巻
歩くことも億劫

目映さが目まぐるしい
取りつく島もないくらいの星々達


あっという間に過ぎ去る時間

30分くらいかな?
2時間は経っただろうか?

実際は7分位しか経ってないだろうけどそれはとても長く感じた

泣き止んだ空にも気付かずまだ祈り続ける君をもう少し見ていたくて暫く黙ってた


もう辺りは暗くて君の顔は見えないけれど
何だかさっきの残像がちらついて、見えてる様だ

ホントは見えてないのに


君の願いは叶ったのかな?

僕の願いは

言葉にするまでもないから胸の内に秘めとくよ


君は何を願ったのかな?

僕には分かる訳もないけれど
叶って欲しい事だけは確かだ

君の祈りは届いたかな?

届くかどうかは分からないけど
君の祈りは必ず叶うよ


だって、僕の願いが君の願いが叶う事なんだから


叶わなきゃ、いけないよね

一人じゃ無理でも二人なら、なんとかならないか。


ボーッと君を眺めていると不意に目を開ける君に、思わずドギマギしてしまった。

終わっちゃったな。

呟く君。

そーだな。

在り来たりな答えを返す僕。




キラッ

その時何かが瞬く音、
正確には音は聞こえないから瞬く気配。

泣き止んだと思った空から最後の一滴が辺りを光りに包んだ。

とても暖かい光りだった。


なぁ、何を願ったんだ?

んー、秘密♪

なんだそりゃ?

ははははっ。

くくくくっ。


最後は二人していつも通り笑い合いいつもの道を再び歩きだした。