TBS主催 武楽座『神曲修羅六道』あらすじ 【第三圏】源義経の章 「義」 | Samurai Art 武楽創始家元 源光士郎 オフィシャルブログ

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武楽座(ぶがくざ)代表 源 光士郎のブログです。平成28年 東久邇宮文化褒賞受賞。侍の表芸である武術と武士の嗜みの能や茶の湯の諸要素、琵琶や鼓、能管、尺八、和太鼓など和楽器の演奏を組み合わせた侍の舞「武楽」を世界各地で公演し、日本のこころをお伝えしております。


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武楽座『神曲修羅六道』あらすじ

【第三圏】源義経の章 「義」

神功皇后(田島芽瑠)に授けられた七支刀を手に修羅の門を越えた ダンテ(南圭介)は須弥山の北の海に差し掛かる。その北の海には修羅の国。生前、争いで人を殺めた者が堕ちる、戦乱と苦しみの絶えない世界。

ダンテは見た。獄卒が太鼓を叩いて囃し立て、軍軍と武を競い、兵兵と技を争うを。なかでも映えたる武将あり。武将は、九郎判官義経と名乗る。源平合戦で活躍した源義経である。ダンテも名乗る。義経はダンテに語りかけた。


義経は、剣の道と修羅道の様子をダンテに語ろうと言う。

そして、現世に戻ったら書き記して、弔(とむら)って欲しいと頼む。ダンテは約束し話を聴く。義経は刀を構え、中心を守ることを教え、種々の構えと袈裟斬や源氏車と残心を教える。


義経は語り実演する。修羅道で能登守教経(のとのかみのりつね)との死闘。舟からは鬨(とき)の声が轟き、陸には波のように盾が並んでいる。月に白むは剣の光。潮に映るは、兜の星の影。雲は波のように水面と空との境界が入り乱れる中、打合い差し違い舟戦の駆け引きをした。


浮いたり沈んだりするうちに、春の夜の波が明けてきた。敵と見えしは鴎の群れ、鬨の声と聞こえしは浦風の音であった。高い松を激しく吹き鳴らす朝嵐の中に義経は消えていってしまった。その時、七支刀の次なる刃が輝いた。




利欲を捨て成すべきことを成した義経殿の「『義』の徳なるぞや」どこからか 静御前(蘭乃はな)の声が聞こえて、その姿を現す。静御前「義経殿と悲しい別れをし、その魂だけはと義経に寄り添っていた。ダンテから聴こえる一途に慕う心の響きに引き寄せられて現れ出たるなり」ダンテ「私の想い人はベアトリーチェ。今はその彼女に会おうと願い旅をしています」静御前(#蘭乃はな)は「剣の威徳と御共に。ただ頼め」とダンテの旅の成就を祈り、一途に想う同志としてダンテを励ます舞を舞い、やがて消えていった。