「便利信仰から自然デザインの生活へ」
船橋康貴 一般社団法人 ハニーファーム代表
ミツバチ絶滅の危機は...
人類滅亡の危機――
私たちが生きていくための環境維持に欠かせない
ミツバチの存在を伝え、守ろうと
東奔西走する船橋氏。
ミツバチとの触れ合いから浮かび上がる
「人間の都合で考えない生き方」。
* * *
<連載>
ミツバチが教えてくれること
「便利信仰」から「自然デザイン」の生活へ
本来自然というのは
神様が創りたもうたものですから、
すでに完璧なわけです。
ですから「自然デザイン」とは、
人間がデザインするということではなくて、
すでにすべてが完璧で絶対調和の中にある、
ということです。
私がミツバチと暮らし始めて
感じていることの一つに、
自然のリズムがあります。
私も以前は、人間社会が決めた
時計に合わせて生きていました。
でもミツバチと暮らすと、
朝日が上がったら仕事が始まって、
夕日が沈んだら仕事が終わって
身体を休めるということになってくるわけです。
そうすると、それまでの時計の刻みに
合わせた暮らしがいかに不自然だったかに
気づいてくる。
朝日が上がったら、その光でもって
体内時計が動き始めて、
身体と心がちゃんとした
自然のリズムで時を刻み始める。
そうすると例えば遮光カーテンというものが
おかしいということに気づく。
朝は生きものとしての自分が
目覚める時間なのに、
光を通さないカーテンで
部屋を真っ暗にしていつまでも寝ている。
それが“休息”だと思い込んでいることとか。
日が沈んだのに、煌々と電気をつけて
パソコンに向かって電磁波と向き合っている。
お店も一晩中開いている。
寝るのが遅くなって、
朝起きられない……という不自然さ。
なぜ人間がこういう生活習慣を始めて、
身体と心を壊していくようになってしまったのか。
それは人間が自分たちを
自然と分けて考えるようになったからです。
「自然」の中に、
「自分が含まれているんだ」という感覚が薄い。
「自然」というのはキャンプの時や夏休みに
「ちょっと出かけていく場所」というように、
人間生活と切り離してしまった。
古代ギリシアの医者ヒポクラテスは、
「人は自然から遠ざかれば遠ざかるほど、
病気に近づく」と言っています。
ミツバチと暮らすようになってから、
現在多くの人が行なっている生活に
強烈な違和感を持つようになったわけです。・・・・
* * *
待ったなしの地球の現状。
船橋さんが呼びかける
今すぐできる「自然とともに」という生き方に
一人ひとりが切り替える時です。
【194号】 2017秋
http://www.dou-shuppan.com/dou194-lp/
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