『書籍「もしドラ」を読んだ感想2』の続きです。

1回目は、組織の定義と顧客について考えました。

2回目は、デザイン思考とマーケティング・リサーチについて考えました。

 

今回は、強みを結びつけることと通訳についてです。

(かなりネタバレになってしまいました)

 


 

熊しっぽ熊からだ熊からだ熊からだ成長する為の準備熊からだ熊からだ熊からだ熊あたま

       (p119-p121)

 

野球部のマネージャーのみなみさんはこれまで、

 

野球甲子園に行くという目標を決め、野球部とは何かを定義し、顧客である野球部員にマーケティング・リサーチし、

野球マーケティング・リサーチにより、部員たちの現実、欲求、価値を引き出し、

野球専門家(監督)のアウトプットを他の人間(部員)の仕事に統合しようと、部員たちの声を彼に伝え、彼の声を部員たちに届けるという通訳になることで、彼の知識と能力を全体の成果に結びつけようとしてきました。

 

 

ドラッカー曰く、

「成長には準備が必要である。

 いつ機会が訪れるかは予測できない。

 準備しておかなければならない。

 準備ができていなければ、機会は去り、他所へ行く」

 

 

そして、秋の大会での惨敗をきっかけに、野球部の何かが変わり、
そのとき、みなみさんは「準備はできていた。今が成長の時なのだ」と察します。

 

 

 

熊しっぽ熊からだ強みを結びつけるための通訳熊からだ熊あたま

      (p120-p125)

 
そのころのみなみさんの口癖は、
「人を生かす!」
 
 
ドラッカー曰く、
「人のマネジメントとは、人の強みを発揮させることである。(中略)
 組織の目的は、人の強みを生産に結びつけ、人の弱みを中和することにある」
 

こう考えることで、人の強みに目が行き、人の良い点ばかりを探すようになりました。
 

そして、部員が練習をサボるのは、つまらない練習に対する「消費者運動」「ボイコット」であると気づきます。
 

 
ドラッカー曰く、
「消費者運動は企業に対し、顧客の欲求、現実、価値からスタートせよと要求する。
 企業の目的は欲求の満足であると定義せよと要求する。
 収入の基盤を顧客への貢献に置けと要求する。(中略)
 消費者運動はマーケティングにとって恥である。」
 

つまり、部員が練習をサボるのは、つまらないことを魅力的にする努力を怠っているマネジメントが原因で、
部員はボイコットをすることによって練習内容の改善を求めていたということになります。
 
 
こんな時、
野球知識と情熱はあるけれど成果に結びつくアウトプットが出せない専門家(監督)
野球「みんなの役に立ちたい」という欲求を持つ大秀才(マネージャー)
の二人を結びつけることができたら、組織(野球チーム)のアウトプットはどうなるか?に気がつきます。
 
 
ここでみなみさんは、大秀才のマネージャーに
「(監督と協力して)これまでのマーケティング・リサーチを生かして、部員たちがボイコットせず、思わず参加したくなるような、魅力的な練習メニューを作って欲しい」
と頼みます。
 
 
つまり、みなみさん自身ではなく、大秀才のマネージャーが監督と部員の間に通訳として立つことになりました。
 
 
 
熊しっぽ熊からだ現実、価値、欲求、強み熊からだ熊あたま
 
 
 
それぞれの登場人物(全て顧客)の現実、欲求、価値を把握すること。
 
これらは、
野球現実:一人ひとりの置かれている環境、役割、感じているフラストレーション
野球価値:一人ひとりにとってのありたい姿
野球欲求:自身が置かれている現実を自分のありたい姿(価値)に近づけるために取りたい行動
…と言えるでしょう。
 
 
そして、各々の顧客の
野球強み:良い点 (弱みも強みになり得る)
…を見つけるよう意識することが大切です。
 

顧客の強みを互いにどう結びつけるかを考えることが「人を生かす!」ことで、結びつけるためには間に通訳を入れることも必要になるでしょう。


これが組織の成果に結びつけることができるようになる要素と言えます。
 
 

熊しっぽ熊からだまずはコミュニケーション熊からだ熊あたま
 
 
それにしても各人の現実、価値、欲求、強みって、普段から雑談したり、レクレーションしたり、仕事をしたりしていないと分からないことだと思います。
 

人の強みを生かして結びつけるには、まずコミュニケーションが大事だなと思いました野球