韓鶴子総裁は「出国禁止に」に…統一教会に日韓同時崩壊の予兆 鈴木エイト カルトな金曜日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/372575 2025/05/30 日刊ゲンダイ

出国禁止(旧統一教会の最高権力者、韓鶴子総裁)/(C)UPI=共同
韓国大統領選の投開票が6月3日に迫る中、大きな動きがあった。罷免された尹錫悦前大統領周辺の汚職疑惑をめぐり、ソウル南部地検が統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の最高権力者である韓鶴子総裁を出国禁止にしたのだ。
尹氏の失職後、夫妻をめぐる疑惑が再燃。統一教会幹部は金建希夫人に近いシャーマンを介し、夫人に高額な装飾品などを贈ったと取り沙汰されている。大統領夫人との懇意な関係を誇示し、ロビー活動の斡旋をしてきたというシャーマンを通じた教団の請託禁止法違反容疑が捜査されている。
統一教会はカンボジアの開発事業に関連したODA(政府開発援助)を受ける狙いをはじめ、国連事務局の韓国誘致、放送局買収、大統領就任式に韓鶴子招待などをもくろみ、尹氏側にアプローチを続けてきたとされる。
中でもカンボジア事業に関しては2020年以降、当時のフン・セン首相を主賓待遇で教団系イベントに招くなど、非常に力を入れている。私も当時、中継映像をチェックしながら違和感を抱いていたことを覚えている。
問題の統一教会幹部は、世界宣教本部の世界本部長を務めた尹英鎬氏。教団ナンバー2として2020年から3年にわたって実権を握っていたが、主導権争いに敗れ、財政担当部署のトップだった妻ともども2年前に解任された。
だが、韓鶴子の寵愛を受け、海外事業や要人招聘などの政界工作を担った尹を完全に放擲すると、内部情報が漏洩する懸念がある。それで昨年12月まで教団系の鮮文大学校の副総長に就けていた。
検察は統一教会の動きを韓鶴子の指示によるものと見て捜査。総裁らの出国禁止について現地メディアが報道している一方で、教団系の世界日報はまったく報じていない。
東京地裁が解散命令を出し、日本の教団は危機的状況だ。韓国本部は解散回避を至上命令とするものの、参考人である韓鶴子が被疑者に切り替わる展開も想定される。金づるの日本の教団だけでなく、韓国本部も崩壊に至る可能性もある。
確実に言えるのは、「韓鶴子逮捕」となれば、信者による大規模で狂信的な抗議デモが韓国で起こり得るということだ。脱税した文鮮明教祖は米国で服役したが、信者は冤罪と信じ込んでいる。
喧伝する平和活動の裏で教団は何をしてきたのか。日本の信者は直視すべきだろう。

鈴木エイト ジャーナリスト
1968年生まれ。日大卒。日本ペンクラブ会員。ニュースサイト「やや日刊カルト新聞」主筆。日本脱カルト協会理事。「自民党の統一教会汚染 追跡3000日」「『山上徹也』とは何者だったのか」などの著書のほか、共著・編著多数。