江戸川区はホ・ミミ選手の凱旋パレードを企画するだろうか? | ワーカーズの直のブログ

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植草一秀の『知られざる真実』

2024年8月 8日 (木) 在日外国人同士の決勝戦

パリ五輪女子柔道57kg級でカナダ国籍の出口クリスタ選手が優勝、韓国籍のホ・ミミ選手が準優勝した。技での決着ではなく、ホ・ミミ選手が指導を3回取られて反則負けになった。パリ五輪で流行りの「疑惑の判定」の一つかもしれない。指導で勝負が決するよりは技で勝負が決する方が分かりやすい。しかも、指導の定義はあいまいな部分が多い。

 

審判の主観的判断で指導が決定され、それによって勝敗が決定されると、客観的に納得が得られない場合も発生し得る。柔道のルールには改善の余地が多分に存在する。決勝戦の模様をNHKが実況放送したが、アナウンサーの放送内容が出口クリスタ選手贔屓に聞こえたことに強い違和感があった。

 

出口選手とホ選手はいずれも日本生まれの日本育ち。出口選手は長野県塩尻市生まれで2018年に山梨学院大学を卒業した。ホ選手は東京都江戸川区生まれで、現在早稲田大学の4年生。出口選手は日本人の母とカナダ人の父を持つ。2017年にカナダ国籍を選択した。ホ選手は日本人の母と韓国人の父を持つ。2023年に日本国籍を放棄して韓国のみの国籍保持者になった。

 

日本の放送が日本人選手贔屓であることは分かる。しかし、田口選手とホ選手の日本との関係は同じ。両名とも母が日本人だが父が他国籍で、最終的に田口選手はカナダ籍を選択し、ホ選手は韓国籍を選択した。二人とも日本国籍を選択しなかったが日本生まれの日本育ち。放送では二人を平等に取り扱うのが適正だった。

 

韓国籍を選択したホ・ミミ選手に関する記事が掲載された。「日本国籍を放棄し「韓国代表」としてパリ五輪で銀メダルを獲得した女子選手(22)、真っ先に訪れた場所とは?」(スポーツソウル日本版)https://x.gd/u5ejO「【パリ五輪】柔道のホ・ミミ、独立闘士の先祖にメダル捧げる…帰国直後に訪問」(ハンギョレ新聞)https://x.gd/iM8vw

 

スポーツソウル日本版は次のように報じた。「「韓国代表としてオリンピックに出場してほしい」祖母の遺言に従って日本国籍を放棄し、韓国へと渡った。堂々と太極マークをつけてパリ五輪に出場し、貴重なメダルと共に祖母との約束も守った。誇らしい韓国人、「柔道少女」ホ・ミミ(22)の話だ。」「ホ・ミミは、独立運動家ホ・ソク(1857~1920)の子孫として知られる。

ホ・ソクは日本統治時代だった1918年、慶北・軍威(クヌィ)郡で抗日ビラを貼って警察に逮捕され、獄中生活を送った「独立闘士」だ。」

 

ハンギョレ新聞はホ・ソクについて次のように解説する。「ホ選手の玄祖父である許碩(ホ・ソク)義士は、日本による植民地時代の1918年、軍威郡義興面(ウィフンミョン)に通じる道路の近くの目立つ場所にある岩壁に「空には二つの太陽はなく、民には二人の王はいない」という内容の檄文を書いて貼りつけ、同胞に日帝の侵略を伝えた。許碩義士は1919年に保安法違反で日本の警察に捕まり、懲役1年の刑宣告で監獄に入れられ、釈放後、わずか3日で死去した。韓国政府は彼の功績を賛え、1991年に建国勲章愛国章を追叙した。」

 

以下は「スポーツソウル日本版」の記述。「オリンピックで銀メダルと銅メダルを手にしたホ・ミミが帰国後、真っ先に訪れた場所は、軍威郡・三国遺事面に造成された高祖父ホ・ソクの記念碑だった。8月6日、ホ・ミミはホ・ソクの記念碑を参拝し、高祖父の記念碑に銀メダルと銅メダルを捧げた。


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彼女は真っ先に記念碑を訪れた理由について「まずここに来て見せたかった」と堂々と語った。」ホ選手は在日三世になる。韓国国籍を保持し、日本の地に身を置きながら、韓国人としての矜持を保持してパリ五輪で堂々の銀メダルを獲得した。

 

日本に在住する韓国籍の人々は日本で多くの苦難を背負わされてきた。そのなかで韓国人としての矜持を保ち、大いなる成功を収めていることに対して日本国民は惜しみない拍手を送るべきである。

 

出口選手の出身地である塩尻市では出口選手の凱旋パレードを企画しているというが、ホ選手の出身地の東京都江戸川区はホ選手の凱旋パレードを企画するのだろうか。日本在住の朝鮮の独立闘士子孫が五輪で大活躍を演じる姿は大きな感動を与えるものだ。

 

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