高市はトランプの要請を断れない イラン情勢、悪夢のような最悪事態にまっしぐら
公開日:2026/03/16 17:01
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狂った大統領の暴挙によって、もはや泥沼化が避けられなくなってきたイラン情勢。今後は悪夢が次々と押し寄せてくるだろう。
狂乱原油高の真っただ中での首脳会談。艦船派遣要請。もちろん、高市は断れないから、国際法を無視した戦争に日本も組み込まれていく。
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米国、イスラエルによるイランへの軍事攻撃が悪夢のような最悪事態に突き進んでいる。
昨年6月、米国がイランの核施設を攻撃した際は、泥沼化を避けたいイランの反撃も限定的で、12日間で終わった。今回は2週間を過ぎても双方の攻撃はエスカレートする一方。まさかの展開に焦りまくっているのがトランプ・米国で、もはや、錯乱状態と言ってもいいくらいだ。
米国は当初、早々とイランの制空権を掌握、トランプ大統領は「10点満点中15点だ」などご機嫌だった。最高指導者ハメネイ師を抹殺し、軍事・核関連施設はもとより、民間の施設、住宅、南部の女学校や世界遺産も攻撃・破壊、そうした戦果をアニメやビデオゲームに模して誇ったものだ。
それに対して、軍事的にはかなわないイランはホルムズ海峡を封鎖し、原油高によって世界経済を揺さぶる戦略に出た。これがトランプにとって大きな誤算となったのである。米国産WTI原油先物価格は1バレル=100ドル前後まで上昇、今後は150ドル、200ドルをうかがう流れになるだろうとみられている。
■世界中で原油の奪い合いが起こる
「イランはまさに石油を人質に取ったのです。今回の原油高は1973年、79年の第1次、2次の石油ショックとは根本的に違う。当時は石油関連施設は直接の攻撃の対象にはならず、生産量は維持できる中で、OPECの意向で価格が吊り上げられた。今回はイランの石油施設が破壊され、イランは報復で湾岸諸国の石油施設を攻撃、さらにホルムズ海峡を封鎖した。原油の供給そのものを断ったわけです。石油価格はいまや需給関係で動く。それだけに今後も“油断”による高騰は避けられない。そうなれば、米国でも激しいインフレが進む。ただでさえ、イラン戦争で支持が離れているトランプ大統領は中間選挙を前に追い詰められていく。
必死のイランはホルムズ海峡に機雷をまく可能性は十分あるし、すでにまいているかもしれない。これをやられると、掃海するのに半年以上かかります。その間、ホルムズ海峡ルートの供給が断たれ、世界中で原油の奪い合いになっていく。単に価格が上がるだけでなく、高いお金を払っても石油が手に入らない事態も考えられます。そうなったら、日本はガソリン高騰くらいでは済まない。工業製品の生産そのものが止まってしまう恐れすらあります」(経済評論家・斎藤満氏)
死に物狂いのイランを前に、トランプの動揺も見ちゃいられないレべルだ。見通しを巡るSNSでの投稿は二転三転、13日にはイランの原油輸出の拠点、カーグ島の軍事施設を爆撃、「ホルムズ海峡を邪魔するなら次は石油施設だ」とばかりに脅している。
イランの石油施設を破壊すれば、ますます、原油の奪い合いになるのにチキンゲームに突っ込んでいる。かと思えば、原油欲しさに輸送中のロシア産原油や石油製品の輸入規制を一時的に緩和して、これまた世界をのけぞらせた。ロシアとイランは包括的戦略的パートナーシップでつながっている。原油高騰でウハウハのプーチンは制裁解除までせしめてニンマリだろう。
出口戦略もないまま始まった狂気の戦争は、イランの徹底抗戦で案の定の泥沼化、その混乱に日本も世界も巻き込まれていくのである。
自衛隊をホルムズ海峡に出せば確実に戦死者
トランプが14日にSNSに投稿した文言も気がかりだ。
「中国、フランス、日本、韓国、英国など、ホルムズ海峡封鎖の試みに影響を受ける国々は米国と共に艦船を送ることになるだろう」「この地域に船舶を送って欲しい」といきなり投稿し、日本政府を慌てさせた。
今のトランプならば「日本も軍隊を出して、船舶護衛や機雷掃海に協力しろ」と言い出しかねない。今のホルムズ海峡、ペルシャ湾は紛れもない戦闘地域だ。自衛隊が出て行けば、初めて戦場への派兵になる。当然、戦死者が出る恐れもある。
そんな緊迫の最中、19日には日米首脳会談が開かれる。さあ高市首相はどうするのか。
安保法制の審議の際、当時の安倍首相が存立危機事態になりうる例として挙げたのがホルムズ海峡に機雷をまかれ、封鎖されるケースだ。まさしく、それが現実になってきたのである。
早稲田大学名誉教授の水島朝穂氏(憲法学)はまず、原則論としてこう言った。
「安保関連法に基づき、自衛隊をホルムズ海峡周辺で活動させるのは法的に無理があると思います。
存立危機事態として集団的自衛権を行使するには“日本と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態”でなければならないが、木原官房長官も現時点では“該当しない”と言っている。
それ以前に、当時の安倍首相も、その後の岸田首相も国会で切迫した危機もないのに“先制攻撃した国への後方支援はあり得ない”と明確に答弁しているのです。
今回の米国の攻撃について、高市首相は法的評価を避けていますが、国際法違反なのは明らかです。小泉政権はブッシュ米国のイラク攻撃に際し、国際社会が戸惑う中、いち早く支持を表明して気に入られましたけど、高市さんが同じようなことをしたらアウトです」
■「カネも出せ、命も出せ」と迫られるのは必至
とはいえ、相手はトランプで、こちらは媚びる高市だ。どうなることか、と悪夢がよぎる。
「トランプ大統領は“自分に国際法は関係ない”と平然と言い放つ人間です。そうした大統領に、日本の法律ではこうなっている、だから、自衛隊を出せないと説明したところで、議論はかみ合わないでしょう。国際法すら守らないのに、日本の法律など関係ないと言われかねない。
一方、高市首相の訪米の目的は自身が気に入られることです。昨年の首脳会談のときにはトランプ大統領の横でぴょんぴょん跳ねてはしゃいでいた。あのノリでは困ります。
戦時下のホルムズ海峡に自衛隊を出せば、確実に戦死者が出ます。湾岸戦争後の91年に掃海艇を送った時は戦闘終結後の平和・人道支援だった。今回とは違うのです。
自衛隊派遣要請を断れないなら、中止も含め、訪米自体を見直すべきです」(水島朝穂氏=前出)
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