【228】からのつづき
朝に見かけてから、乗車のチャンスに恵まれればと思っていた函館市電723号車が折よく現れたので、喜々として車内に入ると、1961年製造当時の雰囲気を色濃く残しており、窓越しの函館の風景も違って見える。

8000形は、ポイント操作を行っていたと思われる小さな塔の残る交差点を左折して南に進み宝来町に停車。発車後は右折して急勾配を登ってゆく。
坂の頂上付近にある青柳町電停を出ると下り勾配に転じ、58.3パーミルという急勾配を慎重に進む。
60パーミル級の勾配は都電荒川線や宇都宮ライトレールなど他にも例があるが、降雪地域ではまた違った苦労があるだろうと思う。
十字街から8分ほどで谷地頭に到着し、函館市電全区間乗車達成。

昨年の熊本市電につづく路面電車の全区間乗車で、これにより未乗の路面電車は富山県の万葉線、富山地方鉄道富山港線の全線と、鹿児島市交通局、とさでん交通、岡山市交通局の一部区間となった。
(ちなみに熊本市電を楽しんだ時の話はこちら) 乗ってきた8000形で谷地頭から折り返し、昼過ぎの函館駅前電停に降り立った。
(つづく)