【167】からのつづき
大船で乗り込んだ上野東京ライン北行の車内で、このまま大宮まで帰るか否かをM君に尋ねると、私を鎌倉に誘った手前か「いや大丈夫」とのことだったので、横浜で降りてM君があまり乗ったことのないという相模鉄道に乗り換え上星川へ。
駅前のスーパー銭湯「満天の湯」で、それぞれにゆっくりした時間を過ごして食事処に向かい、回復した私は湯上がりの1杯。
M君は寝湯でいくらか楽になったように見受けられるものの、呑めるまでの復調には至っていないようで、サウナー御用達の「オロポ」(オロナミンCとポカリスエットのミックスドリンク)で乾杯。
一緒に頼んだざるそばが今日最初の固形物とのことで、朝から引きずっていたダメージの深さがうかがえる。
私も生ビール1杯だけにとどめて満天の湯をあとに、相鉄線の踏切を渡って国道16号沿いのバス停に向かうと、ちょうど神奈川中央交通1系統中山駅行きがやってきた。
M君は寝湯とオロポのおかげか、バスに乗ることができる程度には回復しているようなので、2人で乗り込み最後部席に腰掛ける。
1系統は、当初の鎌倉駅~鴨居駅バス乗り継ぎプランでもNAVITIMEの第一候補で上星川から利用することになっており、図らずして軌道修正したことになる。
ちなみにNAVITIMEが示した上星川15時59分発(土曜日ダイヤ、以下同じ)では、鴨居駅到着がM君が気になっているという店の開店まで30分ほど空くので、時間調整がてら上星川で風呂に入って1,2本後の1系統に乗ろうとの方針を数日前に確認しており、実際に乗り込んだ17時02分発は15時59分発の次便だった。
他の路線との重複区間が多いためか、前の便と63分空いている割には車内にゆとりのある1系統のバスは、国道16号を右折して丘陵の坂道を進む。
上星川から約25分の鴨居橋バス停で降り、歩いて5分ほどの鴨居駅でトイレに寄ったのち、駅近くにある「鳥みき」さんに向かってみる。

M君が「吉田類の酒場放浪記」で紹介されているのを観て、気になっていたとのこと。
開店から30分ほどしか経っていないが、入り口には「本日満席」の張り紙があり、人気のほどがうかがえる。
いずれにしても、われわれに呑む余力はほとんど残されていないので、また今度来ようと話ながら、鴨居駅の階段を上がった。
(つづく)