【67】先輩と、ぽんで一杯 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

【66】からのつづき


キュービックの最後部席に陣取り、多用されるエンジンブレーキで高まるサウンドや振動、排気ブレーキの効き具合を満喫して渋川駅に降り立ち、一旦ホテルにチェックインしてから、今日2回目の「地酒屋 ぽん」さんに向かう。


私が席に就いて数分後、先輩とMさんがお越しになり、おふたりは生ビール、私は日本酒サワーで乾杯。


おふたりとは2カ月前に仙台でお会いしたが、「地酒屋 ぽん」さんで先輩と一献傾けるのは久しぶりで、Mさんは初来店とのこと。


ちなみに2カ月前の仙台でのお話はこちら。

今回のぽんさんでは、全国から取り寄せられた銘酒の中から、熱燗を交えて8種類ほどをおいしい料理とともにいただく。


どの酒も素晴らしく、甲乙つけがたいが、最も印象に残ったのは福島県は仁井田本家さんの「しぜんしゅ おだやか 純米 オーク樽貯蔵」。


仁井田本家さんの「しぜんしゅ」シリーズは好きで時折いただくものの「おだやか」は初体験で、先輩お気に入りの三重は河武醸造さんの「鉾杉 KH改」に似た甘み旨み酸のバランスが気に入った。


3人でしみじみ楽しんでいると、カウンターで独り呑んでいた若い女性が、われわれのテーブルに移ってきて場を盛り上げてくれる。


かわいらしい見た目ながらジャッキー・チェンの大ファンだそうで、ご自身も少林寺拳法有段者という彼女は話も面白く、ぜひとも呑み仲間に加えたいキャラクター。


彼女は某省庁の名刺を差し出して「LINE交換しましょうよ」と言ってくれるが、呑みの場で初見の人と連絡先を交換するのは避けたいので、「LINEやってないんだよね」と見え透いた方便を口にする。


改めてじっくり呑んでみたいほどに魅力的だけど、彼女の押しの強さを受け止め続けられる自信もないし、またいつか「地酒屋 ぽん」さんで再会できる気もするから、今回はゴメンね。


そんなこんなで、あっという間に4時間半ほどが過ぎ、お会計をして「地酒屋 ぽん」さんをあとに、3人でホテルに向かう。


部屋に着くと、「静かに呑みたいようなら今から来ませんか」と、ぽんの店主さんからメッセージが届く。


何となく呑み足りない気もしていたので、ありがたくメッセージに従い、本日3回目のぽんさんへ。


先ほど目星をつけていながら、呑まずじまいだったこちらを注文。

群馬は聖酒造さんの「HIZIRIZM 酒母活性酒」。

「聖」をメインに醸す同酒蔵さんが「挑戦酒」として世に出している「HIZIRIZM」シリーズの中で、酒母を上槽生詰めした一品。

先ほど先輩と呑みながらメニューを目を通した時に、店のコメント欄に「まだ飲んでません。ゴメンなさい」と書かれていて気になったHIZIRIZMは、活性が激しくて噴き上がってしまうため、スクリューキャップを毎日少しずつ捻りながらガス抜きをしているとのこと。

幸いこの夜にはキャップを開けることができ、酒蔵でタンクが並ぶ空間に足を踏み入れた時に感じるのに似た香りをまとった生酒をいただきながら、恵みの多かった1日を振り返り、渋川の夜を締めくくった。
(つづく)