【66】からのつづき
キュービックの最後部席に陣取り、多用されるエンジンブレーキで高まるサウンドや振動、排気ブレーキの効き具合を満喫して渋川駅に降り立ち、一旦ホテルにチェックインしてから、今日2回目の「地酒屋 ぽん」さんに向かう。
私が席に就いて数分後、先輩とMさんがお越しになり、おふたりは生ビール、私は日本酒サワーで乾杯。
おふたりとは2カ月前に仙台でお会いしたが、「地酒屋 ぽん」さんで先輩と一献傾けるのは久しぶりで、Mさんは初来店とのこと。
ちなみに2カ月前の仙台でのお話はこちら。
今回のぽんさんでは、全国から取り寄せられた銘酒の中から、熱燗を交えて8種類ほどをおいしい料理とともにいただく。
どの酒も素晴らしく、甲乙つけがたいが、最も印象に残ったのは福島県は仁井田本家さんの「しぜんしゅ おだやか 純米 オーク樽貯蔵」。
仁井田本家さんの「しぜんしゅ」シリーズは好きで時折いただくものの「おだやか」は初体験で、先輩お気に入りの三重は河武醸造さんの「鉾杉 KH改」に似た甘み旨み酸のバランスが気に入った。
3人でしみじみ楽しんでいると、カウンターで独り呑んでいた若い女性が、われわれのテーブルに移ってきて場を盛り上げてくれる。
かわいらしい見た目ながらジャッキー・チェンの大ファンだそうで、ご自身も少林寺拳法有段者という彼女は話も面白く、ぜひとも呑み仲間に加えたいキャラクター。
彼女は某省庁の名刺を差し出して「LINE交換しましょうよ」と言ってくれるが、呑みの場で初見の人と連絡先を交換するのは避けたいので、「LINEやってないんだよね」と見え透いた方便を口にする。
改めてじっくり呑んでみたいほどに魅力的だけど、彼女の押しの強さを受け止め続けられる自信もないし、またいつか「地酒屋 ぽん」さんで再会できる気もするから、今回はゴメンね。
そんなこんなで、あっという間に4時間半ほどが過ぎ、お会計をして「地酒屋 ぽん」さんをあとに、3人でホテルに向かう。
部屋に着くと、「静かに呑みたいようなら今から来ませんか」と、ぽんの店主さんからメッセージが届く。
何となく呑み足りない気もしていたので、ありがたくメッセージに従い、本日3回目のぽんさんへ。
先ほど目星をつけていながら、呑まずじまいだったこちらを注文。