【45】で西国分寺駅付近に遺る古の鎌倉街道を歩いたことを記した。
その翌週、まだ訪れたことのない区間の鎌倉街道跡を歩こうと、横浜線で町田駅に降り立った。
町田駅周辺から出る路線バスは、ほとんどが町田バスセンターか町田バスターミナルから乗ることができるが、目指す薬師が丘停留所を通る神奈川中央交通の「町53・55」系統は、そのいずれでもない「町田駅21番乗り場」から発車する。
離れ小島のような21番乗り場は、小田急線ホームの新宿寄りにある踏切北側に位置するので、横浜線のホームからだと10分はかかる。
小田急線を横切っているのは「絹の道」と呼ばれる八王子と横浜を結ぶかつての貿易ロードで、踏切のそばにはこうした文字を見ることができる。
「町53・55」系統は、日中15分おきに運転されており、1時間あたり鶴川駅行きの「町53」が1本と、野津田車庫行きの「町55」が3本の割合となっている。
乗り場に着くと、次の鶴川駅行きまで10分ほどあるにもかかわらず20人以上が待っていて、私のあとにも列が伸びていく。
バスが着くと、車内に客が吸い込まれていくが、果たして全員乗れるのかは微妙な状況。
私は何とか最後の1席に収まったが、立ち客が通路最後部までひしめき、乗り場からドア口に足をかけたものの車内に入ることができずに、次便を待つ列に並び直す人もいる。
結局、10人ほどが発車を見送る結果となり、客を満載した鶴川行きは町田街道から鎌倉街道に出て北上。
15分ほどで、ひなた村というバス停に着くと客の大半が降り、立ち客がほぼいなくなる。
近くに何があるのか知らないが、急に客の少なくなった鶴川駅行きは、多摩丘陵の緑の中を、時折信号待ちの小さな渋滞に阻まれながら進む。