【20】本線で両津に戻る | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

【19】からのつづき


佐渡金山を出た七浦海岸線の最終バスは、本線とは異なるルートで夕陽に耀く日本海を望みながら、相川の街へと降りていく。


きらりうむ佐渡で乗り換えずに相川まで行って、夕暮れ時の日本海を眺めてから、宿がある両津に向かおうかとも考えたが、金山でバスを待つ間に体が芯から冷えたので、早いところ投宿して風呂に浸かりたい気持ちが勝り、きらりうむ佐渡で下車。


佐和田バスステーションの案内所で教えてもらった通り、観光施設の中を通り抜けて海側の停留所に立つと、程なく「本線」の両津方面行きがやってきた。


乗り込んだ元神奈川中央交通の大型ワンステップバスは相川の街を抜けて下戸を左折、海を背に県道31号相川佐和田線で山の中に入っていき、中山トンネルを抜けると下り坂になって、県道45号佐渡一周道路に交わると正面に再び海が現れる。


一周道路は海沿いを進むが、バスは百メートルほど内陸を併走する相川街道を辿る。


旧道らしい落ち着いた町並みの中には、「金鶴」「上弦の月」「風和(かぜやわらか)」などを醸す加藤酒造場さんもあって、ギリギリまで立ち寄ろうか迷ったものの、今回は車内から眺めるにとどめ、「金鶴」と書かれた暖簾のかかった建物を窓越しに確かめる。


佐和田バスステーションを発車すると、ショッピングセンターやチェーンの飲食店、ホームセンターなどがロードサイドに並ぶ八王子あたりと変わらない風景の中を15分ほど進み、金井地区を抜けると国道350号を北東に向けてひた走る。


左手には、佐渡に入って以来眺め続けてきた金北山と妙見山が近くに見えており、妙見山頂付近に設置されている自衛隊のレーダーサイトの形もはっきり分かる。


途中、境バス停近くに天領杯酒造さんの工場のような酒蔵を左手に見て、きらりうむ佐渡から約1時間で両津地区の繁華街に近い夷(えびす)本町に到着。


投宿前に近くの加茂湖畔に立つと、湖面の向こうに見える妙見山に夕陽が沈む。

半日で2つの酒蔵と佐渡金山を好天で巡ることができた感謝を金北山と妙見山に捧げてからホテルに向かい、冷えた体を大浴場でゆっくりと温めた。
(つづく)