(【5】からのつづき)
大宮18時04分発古河行きは15両編成で、先頭車に乗り込むと席が半分ほど空いていたので、進行方向窓側におじさんの座っていたボックス席の後ろ向き通路側に腰を下ろす。
列車は各駅に停まって客を降ろしながら、暗くなった宇都宮線を下っていく。
先ほど熱燗をやったのに、ほろ酔い気分にならないのは、水を肴に1時間もかけて吞んだからだろうか。
大宮から36分で終点の古河に到着。 スタンプを捺してからホームに戻り、後続の宇都宮行きに乗り継いで14分でスタンプ帳最後の空欄を埋めることになった小山に着く。

心を込めて200系がデザインされたスタンプを捺し、スーパートレインスタンプラリー50駅コンプリート。
祝杯を挙げようと、ホテルとは逆の西口に降りると、「望」「四季桜」「松の寿」「大那」をはじめとする栃木の地酒や、「九頭竜」「写楽」「麓井」など各地の銘酒が記されたメニューを掲げた居酒屋さんを発見。
いずれも純米酒で価格も700円と良心的。熱燗は末廣の本醸造550円で、同額のおでんだし割りも選べる。
これは期待大と、戸を引き店員さんに人差し指を立てて独りである旨を伝えると、「しばらくお待ち下さい」と言われ、ほどなく「今日はご予約でいっぱいです」とのお返事。
カウンターが半分以上空いていたので大丈夫だと思ったが甘かった。
仕方なく西口周辺をうろつき、いくつかの店に目星をつけてから、一旦東口のホテルに投宿。念のため先ほど断られた店に電話で予約を試みるが、やはり答えは同じ。
ホテルを出て、西口に向かう前に周辺をパトロールしてみようと、それらしき気配の方角に足を向けると、ピンク系のお店と飲食店が混在しており、客引きの兄さんが多い。
そうしたエリア内に、こんな一角を発見。

右の居酒屋に入るとカウンターが空いており、タコハイ(プレーンサワー)とブリ刺身、筑前煮を注文。

刺身はワンコイン500円で、この日はブリのほか、サーモンや鯛、マグロも用意されており、筑前煮はホワイトボードに書かれた期間限定メニューで480円。
いずれもうまく、タコハイをお代わりしておすすめの手羽先(1本150円)を追加。

最後に赤ワインで締めてお会計。
スタンプラリーコンプリートを、手軽にして満足な居酒屋で祝うことができた幸運に感謝しながら、夜の小山をもう一歩きした。
(つづく)