前ページとは打って変わって、チェーン居酒屋のお話。
先日、いとこのM君と新潟・長野を訪れた帰りに、大宮の加賀屋でささやかな打ち上げを催した。
東京周辺に50店舗ほどあるという加賀屋には、鶯谷店の好きな飲み仲間に誘われて何度か訪れたほか、加賀屋系とされる神保町の加賀廣にも入ったことがあるが、独りで入った経験はない。
それは多分、15年ほど前に城北エリアの加賀屋某店に飲み仲間と3次会で入った際に、食べるのにちょっと勇気を要する匂いを漂わせる串モノが出てきたことが記憶に残ったせい。
一緒にいた女性の飲み仲間が「においますねぇ」と刑事ドラマのようなセリフを口にしながら、串焼きに鼻を近づけ眉をしかめていたのが忘れられない。
閉店時間が迫っていたタイミングだったし、たまたま何かの手違いだったのかも知れないが、その日以降は敢えて加賀屋に入ろうという気にはならなかった。
それから10年ほどが経って鶯谷の店舗に誘われて何度か通うと、飾らない雰囲気で値段も手頃、欲しいメニューも程よく揃っていて悪くない。もちろん、鮮度に不安を覚えるようなものが出てきたことは一度もなかった。
そして今回、M君に誘われて大宮の店舗に初めて入ってみると、これまたおじさん世代には落ち着く「ちょうどいい」空間で、M君が頼んでくれた加賀屋名物「スタミナ焼き」はうまかった。
数日後、無性にスタミナ焼きが食べたくなって、初めての独り加賀屋に挑戦。訪れたのは、台東区にある上野広小路店。

カウンター席に腰を下ろし、加賀屋のメインドリンクであるホッピーのセットと、これまた看板メニューの煮込み鍋、マグロぶつを注文(例によって食べかけでスミマセン)。

煮込みはハーフサイズがあるのが独り呑みにはありがたく、豆腐の割合も私好みでホッピーの入ったグラスがすぐに空く。
すかさずナカを頼むと、コップに入った焼酎と氷をホッピーグラスにガバっと注いでくれ、3分の2ほど瓶に残っていたホッピーを足して2杯目スタート。
折よくこちらも焼き上がって、2杯目のホッピーが魔法のように消えていく。

ニンニクの効いたスタミナ焼きをホッピーで流し、「居酒屋で呑ってるライブ感」を味わった後、大宮の加賀屋でM君が頼んでいた「韃靼そば茶サワー」でポパイエッグなる一品をいただく。

ほうれん草とベーコンのソテーに半熟の目玉焼きが載っており、この日の〆の役目を果たしてくれた。
3000円ほどで満たされた時間を過ごすことができ、仕事の疲れとストレスを店内に残して店を出た。