過日、いとこのM君と一杯。
私が有楽町線で桜田門を出た15分後にM君が大宮から湘南新宿ラインに乗り込み、ほぼ同着となった中間地点は埼京線の十条駅。
何度か吞みに来たことのある街だが訪れたのは久しぶり。下りホームから改札を出た正面左手には高層マンションが建設中で景色が変わりつつある一方、右手のアーケード商店街や飲み屋小路はそのままで、駅チカの斎藤酒場も健在。
さて、どこで呑ろうかと迷いつつ踏切を渡り、東十条に通じる商店街の入り口にある「田や」さんを覗くとカウンター席に十分な余裕があったのでスルリと入店。M君は生ビール、私はレモンサワーで乾杯。
こちらのお店は、「吉田類の酒場放浪記」や「孤独のグルメ」、「太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選」「今夜はコの字で」など数々の番組で紹介されたテッパンの酒場で以前に2度来たことがある。
刺身盛り合わせをつつきながら、私は熱燗、M君は「北秋田」を冷やで。

「どこの酒だったかなぁ」と呟いていると、M君がスマホをのぞき込み「埼玉の指扇だね」と教えてくれる。
そういえば、昨年4月に深谷市の丸山酒造さんを訪れた折、同じ日に酒蔵解放を行っていた指扇の小山本家酒造にも立ち寄るつもりでいたものの、深谷での試飲をしっかりやり過ぎたせいか、大宮で乗り換える予定で乗り込んだ列車で目覚めると武蔵小杉だったことを思い出した。
丸山酒造さんを訪れた時のお話はこちら。


この春の改正では、京葉線の快速廃止が物議を醸したが、今後鉄道会社はこれまで以上に柔軟なダイヤ編成を進めていくことが予想される。
急速な少子化に伴う通勤通学需要の減少や、コロナ禍によって変化した就業形態などによって鉄道利用のスタイルが変わり、従来の発想や実績の延長で輸送需要を捉えることが実態にそぐわなくなっていることに加え、ここ数年で労働組合とのパワーバランスが大きく変化して経営の自由度が上がったことも、ドラスティックなダイヤ改正が行われる背景にあるという現実も利用者として知っておく必要があるかも知れない。
「いつまでもあると思うな便利な列車」。
そんなことを考えながら、八王子行きNEXで〆のビールを味わった。
