滋賀でもう1湯チャレンジ | 酔いどれパパのブログ

酔いどれパパのブログ

「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

( 前ページからのつづき)


雪のチラつく京都の街を歩いていると、わらじ亭さんでコートの中に蓄えた温もりはあっという間に奪われ、西大路御池駅で京都市営地下鉄東西線のホームに降りて寒さから逃れる。


そういえば、わらじ亭の大学1回生スタッフの方が、初めて迎える京都の冬の寒さに驚いたと感想を漏らしていたが、いつかその寒さを青春の記憶とともに思い起こすのだろうと、私には叶わなかった京都での学生生活を羨ましく思う。


やってきた琵琶湖浜大津行きに乗り込み、もう1度銭湯に入って体を温めようと石山を目指す。


京都市内にも銭湯はあるが、先ほど浜大津の「湯~トピア きりしま」さんに入った際にいただいたこちらの冊子に誘われて、滋賀に戻ってもうひと風呂浴びようと思ったのだった(ポケットに入れて持ち歩いたため折り目がついてしまいスミマセン)。

立命館大学の小沢道紀教授監修のもと、同大学や同志社女子大学、瀬田工業高校などの生徒さんたちが製作協力を行った銭湯マップで、滋賀県内の12湯が紹介されている。


山科でJRに乗り換えて石山に着き、徒歩8分の「容耀湯(ようきゆ)」さんを目指して歩くが、寒さに参り3分ほどでギブアップし石山駅に戻る。


オレもヤキが回ったなぁ、と思いながら京阪石山坂本線の車内でもう1度銭湯マップに目を通すと、この路線沿いにも薪で湯を沸かす「都湯」なる銭湯があり、錦駅または京阪膳所駅から徒歩4分とある。


再チャレンジしようと、錦駅で降りて頭に入れた地図を思い出しながら夜の住宅地を歩くものの、なかなかそれらしき建物が見えてこない。


寒さが限界に達した頃、石山坂本線のこじんまりしたホームが現れる。隣の京阪膳所(けいはんぜぜ)まで来てしまったかと思いかけて、周囲の雰囲気が違うことに気付き駅名標に目をやると、「膳所本町」と書いてある。

どうやら、錦駅から京阪膳所とは反対方向に歩いてしまったようで、これはもうヤキや酔いが回ったでは済まない加齢の深刻さを思い知らされる。


今さら都湯さんを目指す気力もなく、寒い中電車を待つしかないかとホームに上がると、隣接した踏切のすぐ脇に居酒屋らしき灯りが見える。

線路を斜めに横切る道路に面して遮断機ギリギリに建つ居酒屋なんて素敵じゃないか、とホームを出て暖簾をくぐる。
カウンターに腰掛け、ボラ白子やカツオユッケで滋賀の「不老泉」を熱燗でやると、老いへの憂鬱と湯に浸かれなかった無念が一気に吹き飛んだ。