奈良でバス活 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

先日の奈良訪問では、酒蔵に向かう前にバス活を少々。


降り立ったのは、近鉄奈良駅の2つ手前の大和西大寺駅。


2022年7月に安倍晋三元首相が襲撃された北口のロータリーに降りると、お目当てのバスが朝の光に照らされて停まっている。

 1997年製の日野ブルーリボンKC-HU2MPCAで、かつての奈良交通の標準仕様である長尺3扉メトロ窓。
26年目を迎えた現在は、奈良競輪の無料送迎バス(ファンバス)をメインに活躍しており、この日は和歌山競輪の場外発売を目当てに乗り場周辺にたむろしていたギャンブラーが、開いたドアから車内に吸い込まれていく。

スポーツ新聞を片手に赤鉛筆なめなめのおじさんたちに交じって車内に入り、最後部に陣取る。
時間になり大和西大寺駅をあとに、商店街を抜けながら西に進み、秋篠川を渡ると左折して北に向かう。

基本的にギャンブルの類はやらないが、ファンバスには各地で乗っており、かつて熊谷駅~桐生競艇場などの長距離バスを楽しませてもらった記憶が残る。

当時、スーパーハイデッカー車で運行されていた熊谷駅からの桐生競艇行きファンバスでは、前日のレースが車内テレビで放映されており、結果を知っているはずの乗客から「まくれ!」「そのままっ!」「やめちまえ!」などの声が飛ぶのを見て、そこまで夢中になれるなんてうらやましいよなぁと思いつつ、少しコワイ気もした。

奈良競輪場に向かうファンバスの車内は、場外発売ということもあってか客は皆さんおとなしく、26年目を迎えるベテランバスはM10Uエンジンの軽やかなサウンドを響かせながら孝謙天皇陵前交差点を左折して再び秋篠川を渡り、進路を西に変えてから平城駅に隣接する踏切で近鉄電車の通過待ち。2本の列車が通り過ぎて遮断機が開くと車体を揺らしながら線路を乗り越え、大和西大寺駅から約10分で競輪場に到着。
おじさんたちの列について競輪場内に入り、出走表をもらってからバスのナンバーにちなむ5-7-9の三連単を買おうと頭上のモニターで和歌山競輪第1レースのオッズを確かめると、7車立てで9番車の出走がなかったので、メインレースを購入。

一応、ファンバス乗車賃相当の車券を購入したので、帰りも堂々と乗らせてもらおうと思いながらバンクに向かうと、本場開催ではないので練習に励む選手たちの姿が見える。
昭和感あふれる場内の雰囲気を味わいながら、遅い朝メシを摂ろうと店に向かうがやっておらず、場外の入り口脇にあった屋台で関西らしいホルモンうどんで体を温める。

食べ終えてバス乗り場に向かうと、先ほどと同じクルマが離れた場所で待機しており、3人ほどが乗り場に入ってくるのを待っている。
発車時間5分前に乗り場に入ってきて、 8人ほどを乗せて発車。本場開催時の混雑回避のためか来るときとは違うルートで大和西大寺駅を目指す。

先ほどと同じ最後部でエンジンサウンドと床下からわずかに聞こえてくるロッドシフトの操作音を聞いていると、昔何度か乗った東武バスの3扉車を思い出す。

帰りは7分ほどで大和西大寺駅に到着。 駅前でしばし停車したベテランバスは、先ほどより多いギャンブラーを乗せて再び競輪場に向けて発車した。

(ちなみに購入したメインレースの三連単はかすりもしませんでした)