2024年初酒蔵訪問 | 酔いどれパパのブログ

酔いどれパパのブログ

「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

今年の酒蔵初訪問は奈良県へ。


近鉄奈良駅から目指す酒蔵まではバスを使えば5分ほどだが、久々の奈良なので街の雰囲気を味わいながら徒歩で向かうことにする。


まずは東向商店街のアーケードを数百メートル歩いて左折、興福寺に向かう坂道を上る。


近鉄奈良駅周辺は、海外からの旅行者でごった返していて進むのに難渋するほどだったが、興福寺境内はゆったりした時間が流れており、中金堂でも心平らかに手を合わせることができる。

興福寺から南に向かって進み「五十三段」と呼ばれる階段を降りると、猿沢池の畔に出る。
奈良は添乗員時代を含めて何度か訪れているが、興福寺の南エリアには来たことがなく、酒蔵訪問を機に未踏の地を訪れることができて感謝。

さらに南に進むと落ち着いた街並みが続いており、猿沢池から5分ほど歩くと右手に元興寺(がんごうじ)さんの東門が見えてくる。

こちらは、興福寺さんとともにユネスコ世界文化遺産「古都奈良の文化財群」を構成する五寺のうちの一寺で、本堂のほか禅室と五重小塔が国宝に指定されている。

500円也の拝観料を支払い本堂で手を合わせてから、境内に建っている文化財研究所に入ると木造聖徳太子立像や木造弘法大師坐像をはじめとする国の重要文化財をいくつも拝することができ、心の中で合掌しながら安らぎの時間を過ごす。

落ち着いた心持ちで元興寺さんをあとに、目的の酒蔵さんを目指して歩くと約3分で到着。
今西清兵衛商店さんで、メイン銘柄の「春鹿」は先ほど訪れた興福寺さんにも四斗樽が奉納されていた。
蔵には試飲のできる販売スペースがあり、500円を支払い指定されたテーブルに座ると、女性店員さんが説明を交えながら次々と日本酒をサーブして下さる。

隣には私の後からいらした同年代と覚しき女性が同じく独り試飲を楽しんでおり、一杯ごとに水を呑むスローペースの私に追い付いてくる。

その方は、こちらの酒を含まれた折に強い反応を示され、店員さんに酵母の種類を尋ねている。
リリースされたばかりの酒蔵見学限定の純米吟醸生原酒で、青リンゴのようなフルーティーさとフレッシュ感がありながら、後味が穏やかにひいていくバランスのいい酒で、女性が好みそうなテイスト。

4杯目の超辛口、5杯目の発泡清酒「ときめき」で一旦試飲コースが終了した後、こちらの酒蔵さんのもう一つの名物である奈良漬けをつまみに6杯目となる隠し酒をいただく。

試飲した酒の中から、よそ様への土産にするなら酒蔵見学限定の純米吟醸生原酒を選びたいし、自分で呑むなら超辛口を持ち帰りたい。

隣にいた女性とともに冷ケースの前で、迷いながら店員さんに色々尋ねる。やはり酒蔵見学限定酒に人気が集まっており、次々にレジに運ばれている。

なかなか決められないので、一旦冷ケース前を離れ、常温陳列されているコーナーに向かうと、試飲では出会わなかった酒も並んでおり、その中から熱燗向けのこちらを購入。
四合瓶と幸せな酔い心地を携えて、奈良の酒蔵初訪問となった今西清兵衛商店さんをあとにした。
(つづく)