国立で角打ち | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

昨年末、国立市内で一杯。


その前に国立駅南口から徒歩約10分の銭湯「鳩の湯」さんに浸かって、二日酔い気味の体をゆっくりほぐす。

こちらは現在、国立市内唯一の銭湯(スーパー銭湯を除く)となっており、2020年にリニューアルしてご覧の通りオシャレになった。

男性浴室内に湯舟は3つあって、高濃度炭酸泉は湯温が約38度でのんびりでき、シルクバスは約40度でちょうどよく、ジェットバスは42度前後で仕上げにもってこい。

13時からやっているのもありがたく、定期券区間内の駅から徒歩圏なのも嬉しい。高血圧の私には禁忌だが、サウナ好きにも愛されているようだ。

さっぱりして国立駅に戻り、北口から乗り込んだ「けやき台団地」行きの立川バスで8分ほどの「団地南」停留所にほど近い「織田島酒店」さんへ。
見ての通り町の酒屋さんだが、看板をよく見ると「酒類・居酒屋・ランチ」の文字がある。

国立駅~けやき台団地の「国21」系統は、朝ラッシュ時には1時間に12本が運転される頻発路線ながら、バスのすれ違いが難しい住宅街の隘路を走るため、3人のガードマンが無線で連絡を取り合って、途中に設けられた待避場所にバスや一般車を誘導するなどして運行を支えている多摩地区では珍しい路線。その様子を眺めたくて何度か乗り降りした経験があったことから織田島酒店の存在は認識していたものの、居酒屋としての顔は知らなかった。

そんな織田島酒店さんで一杯やる機会を得たのは、2023年も松本や渋谷で何度かご一緒させていただたJさんにお誘いを受けたから。

連絡を受けた午前10時過ぎには、まだ前日の酒が抜けておらず、とりあえず顔を出してウーロンやルイボスあたりの茶を濁そうと考えていたが、鳩の湯さんのおかげかビールぐらいは吞めそう。

16時少し前に到着した私のあとにJさんと、これまた松本や渋谷でご一緒させていただいた多摩地区在住のSさんもお越しになり、11月の松本ガスト以来の下らない話を再開。

最初の一杯を何にしようかと、3人して冷蔵ケースを覗きながら迷う時間は、友達と駄菓子屋に来たようで楽しい。

私は、サッポロビールが初めて品種登録をしたという「幻のホップ ソラチエース」を100パーセント使用したビール「SORACHI 1984」の350ミリ缶をプシュっと。

酒屋さんの角打ちながら、6人ほどが腰掛けられるカウンター席と、ビールケースをひっくり返して椅子にしたテーブル席があり、われわれが乾き物を広げているテーブルはパーティションで3人ずつに仕切られていて、このあと地元の方と相席になる可能性がありそうで少し楽しみ。

SORACHIとは、北海道の空知地区に基づくネーミングなので、昭和40年代生まれ3人組としては当然、劇中に繰り返し空知川が出てくるテレビドラマ「北の国から」の話になる。

田中邦衛やいしだあゆみはもちろんのこと、岩城滉一や美保純のキャラクターも捨てがたい、なんて話で盛り上がったあと、「北の国から’87 初恋」に出演していた頃の横山めぐみカワイかったよなぁ、と3人でため息。

そういえば以前、空知エリアにある新十津川町の酒蔵さんに寄ったあと、滝川から乗った満員の特急列車のデッキで車窓の雪景色を眺めながら同じような感慨にふけったっけ。 

SORACHIを吞みながら、多摩地区に縁のなさそうなJさんに何故この店を知ってるのかを尋ねると、BS-TBS「吉田類の酒場放浪記」で紹介されているのを観て、来てみたくなったとのこと。


オシャレなJさんと酒場放浪記は似合わないと驚きかけて、私との出会いも江東区の居酒屋だったことを思い出し、何の不思議もないもんだと納得。


逆に何で二日酔いなのかを聞かれて、「いやぁ、カラオケスナックで…」と返すと、「それは意外だなぁ」と驚かれる。こんな私でも地元に義理で顔を出す場所がいくつかあるんですよぉ、と言い掛けて、そのあまりにダサいセリフをSORACHIとともに呑み込む。


5時になり、乾き物や缶詰め、スナック菓子以外の料理提供も始まったので、おでんや肉系などの肴を頼むが、この日のヒットはSさんが注文した大根葉のみそ炒め。


体調が万全ならこれで日本酒2合は堅い。お店の方が気をつかって下さったのか、残り三つの椅子は撤去され相席はなしに。


SORACHIを干したあと、福島県は二本松市の人気酒造さんのミニボトルにスイッチしたが、今日はこれを空けるのが精一杯で、あとはコップ代わりに使用自由となっているワンカップの空き瓶にミネラルウォーターを注いでチビチビ。


JさんとSさんは、店主らしき男性と、映画や音楽の話で盛り上がっている。私はいずれの文化にも疎いが、同好の士が語らう様を見ながら呑むと伊賀の天然水も味わいが深まる(気がする)。


会話に耳を傾けていると、そういえば2023年は映画館で作品鑑賞していないことを思い出す。以前は年間20本程度を観ていたが、コロナを機に足が遠のき、その後Netflixに鑑賞料金を振り向けたこともあって、いくつかの映画館の会員資格も失効していた。


映画フリークのJさんSさんと年末に一杯やることになったのは、「このまま年を越すべからず」との啓示に思え、お二人にオススメをうかがうと、どちらも観たいと思っていた作品を挙げて下さる。


角打ちとは思えぬ濃密な3時間あまりを過ごした織田島酒店さんから表に出ると、年末の多摩らしい寒さに豊洲からお越しのJさんは凍えている。


こりゃたまらんと、すれ違いのため停留所で発車待ちをしていた国21系統のバスに乗り込み、夜の国立駅に運ばれた。