(前ページからのつづき)
先日の水戸訪問では、初めていただく銘柄のワインやウイスキーを楽しみながら、それらを提供して下さるソムリエさんやマスターとの再会を叶えることができた。加えて、こちらに乗車する機会にも恵まれた。
国鉄が民営化された昭和62年から35年以上にわたって活躍を続ける1102号車には、昨年水戸に泊まった折にも2度乗る機会に恵まれ、今回もあわよくば、と思っていた。
ちなみに前回のお話はこちら(バスの写真はありません)。
今回は夕方の水戸駅発赤塚駅行きとして現れた1102号車に乗って銀杏坂を登る。
何度乗っても懐かしい昔のバスの味わい。同型車はかつて都営バスや東急バスなどの大手事業者でも、まとまった数が活躍しており、今はなき銀座通りを走る路線などでも見かけたが、おそらく現在本州で日常的に活躍しているのはこの1台のみ。
前回同様に一杯やってから再度乗ることができるよう願いながら市街地の泉町一丁目で下車し、7月にオープンしたこちらに立ち寄る。
某シンガーソングライターのおしゃべりコンサートの舞台として話題になった7月オープンの水戸市民会館で、周辺の二つの施設と合わせて「MitoriO(ミトリオ)」というエリアをなしている。
左に見えるねじれた形の建物は、水戸芸術館のシンボルタワーで市政100年を機に建設されたことから、高さは100メートルでエレベーターで上部の展望台に上がることができる。
数年前に山口晃展鑑賞を兼ねて上がったことがあり、那珂川の流れやそれによって作られた地形を立体的に理解することができ勉強になった。
水戸のトリオだからMitoriOなのだろうと、もう一つの施設は何かを調べると先ほどバスを降りた停留所の目の前に建っていた京成百貨店とのこと。
なかなか苦しい組み合わせだとは思うが、街を盛り上げようとの想いが伝わってくるようなネーミングではある。
1102号車のほかにも水戸にはベテランバスが数多く走っており、今回はこちらが気になった。
1102号車の6年後に製造された日野U-RJ3HJAの1713号車。
ヘッドライトは片側二つになり、エンジンも変わったが、銀サッシ2段窓、ツーステップ後ろドア、バス協会型テールランプなど、1102号車の流れを汲むプロポーション(写真暗めでスミマセン)で、こちらも茨城交通残り1台のレア車。
U-RJ3HJAと言えば、夏に静岡県で出会った富士急静岡バスのW1291号車と同型。
1102号車に比べると、いずれも6~7年後輩ながら30年選手のベテランで、今年はそれらの車両に出会ったり乗車する機会に恵まれ感謝。
今回の水戸訪問ではさらに、こちらの古バスにも乗ることができた。
元西武バスの日産ディーゼルKC-UA460で1998年式。
富士重工17型E(通称7E)ボディの3ドア車で、この日はバスケットBリーグの水戸開催に合わせ運行されたシャトルバスとして活躍しており、茨城ロボッツサポーターの方々とともに乗車。
最後部のシートに腰掛けると、目の前に引き戸があり、その先に2列のシートを挟んで、また引き戸のある3ドア特有の車内配置。
このほか、勝田・茨大前両営業所の7Eボディにも乗車することができ、今回の水戸バス定点観測は収量豊か。
高崎、甲府、宇都宮と並んで20世紀製造のバスが活躍する水戸には、今後も定期的に足を運び、ベテランバスの姿を目に焼き付けたい。
(おわり)