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ワインを程よくいただいて足取り軽く向かったのは、こちらも約1年ぶりの訪問となった老舗バー「アンバーハウス」さん。
前回WINE O’CLOCKさんで教えていただいてすっかりファンになり、是非とも再訪したいと思っていた。
階段を上がりカウンター席に座ると、世界各地の多種多様なウイスキーが眼前のみならず背後にも山をなしていて圧巻の眺め。
見覚えのあるバーデンさんとの会話を楽しみながらカリラ・モッホをなめていると、前回お話させていただき感銘を受けた名物マスターが私の前に。
米寿を迎えられてなお意気軒昂、ウイスキーへの情熱いまだやまずといった現役感がビシビシ伝わってくるマスターのレクチャーを拝聴していると、また来ることができて良かったと心から思う。
モッホを飲み終え、マスターに教えていただいたこちらの2種類を味わう。
「撮るから覚えないんですよ」と、マスターは諭して下さるが咎めるふうはなく、軽く笑顔をたたえていらっしゃる。
同じ台詞を30代の頃に何度か口にした覚えがあるが、今では撮ってもどこで吞んだかすら思い返せないこともある有様で、運良くマスターの歳まで生き延びた折にはどうなってしまうのだろうかと心配になる。
そんな私の内面をすべて理解したかのようなマスターのご尊顔を拝しながらスコッチをいただいていると、水戸の夜が心地よく深まった。