1年ぶりの水戸の夜 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、水戸で一杯。


訪れたのは、昨年立ち寄りギリシアワインのおいしさを教えていただいた泉町の「WINE O’CLOCK」さん。

18時の開店を少し過ぎたタイミングで入店すると、前回ギリシアワインについてレクチャーして下さったオーナーソムリエのWさんがその時と同じカウンターの1番奥を案内して下さる。

ちなみに前回のお話はこちら。 

まずは、前回教えていただき印象に残ったギリシアワイン「ナウセアフンディ」赤を。
入店してすぐに頼む銘柄ではないのだろうが、舌と鼻が冷静なうちに再会を果たしたいと思い、恥を顧みずお願いすると、開けたてのものとともにサーブして下さる。

前回は他の店で刺身や焼き魚などで日本酒を楽しんだ後にこちらを訪れて味わったせいか、1年前とは違った印象で、やはりワインは料理との組み合わせや飲む順序、呑む側のコンディションなどで表情が大きく変わるという当たり前を再認識。

無事に再会することができ気持ちが落ち着いたので、あらためて水戸の夜をスタートさせようと、次の一杯を尋ねて下さったWさんに「ここからリスタートしたいので、白を何かお任せで」とお願いすると、こちらのドイツワインが供される。
リスタートにふさわしいフレッシュ感と程よい甘みのワインで、サラダとともにいただくと水戸の夜が花開く(拙い表現と食べかけの写真でごめんなさい)。
目の前の液晶ビジョンではバスケットBリーグの茨城対大阪戦が放映されていたので、Wさんにいつの試合かと尋ねると、すぐ近くの会場のライブ中継とのこと。

バスケの試合を眺めながら白ワインとサラダをいただいていると急速に腹が減ってきたので、アヒージョ(バゲット付き)とそれに合う次の白をお願いすると、これまたこちらの期待感を超えるキリッとしたギリシアワインを提供して下さる。
やっぱりすごいなぁソムリエさんは、とプロに対して失礼ながらワイン素人のおじさんは今さら思う(ちなみにWさんはシニアソムリエ・ドイツワインケナーだそう)。

こちらの言葉足らずの要望から多くの選択肢を頭の中に並べ、そこからいくつもの条件で絞った1種類を提供するお仕事は、知識や味覚、嗅覚だけでなく胆力もなければ務まらないのではないかと小心者としては感服する。

あっという間にグラスが空き、同じものをお代わりしたい気持ちを抑えつつ、ここであえて最初にいただいたナウセアフンディ赤に戻ってみる。

おそらくアヒージョに合わせるのはセオリーからは外れているのだとは思うが、こちらのコンディションが変わったことで、先ほどとは違った表情を知ることができるのではないかと考えた。

加えて、先ほど「リスタートしたい」と言った後、最初の一杯に満足できなかったと受け取られてしまったのではないかと、己の物言いに反省してもいた。

せっかく口開けして下さったことでもあるし、あとでもう一度呑もうとアヒージョを頼んだ時点から考えていた。

もちろん、そんなことを口に出したら台無しなので、「ワインのことはよく知らないので、変な呑み方でスミマセン」と言うと、「好きな時に好きなものを呑むというのでいいんですよ」と優しいお言葉。

私の小心な内面などとっくに見透かされているのだろうが、こうしたお店ではスタッフの方やオーナーさんに心を預けた時から本当の寛ぎの時間が広がる。

ナウセアフンディは先ほどと大きく表情を変えることはなかったものの、アヒージョと合わせてもおいしかった。

このあと、もう一軒寄ることにしているので最後に黒酢に漬けたピクルスとグラッパでしめる。
また来年も来ることができますようにと心に唱えながらお会計を済ませ、バスケの応援帰りの人波に逆らうように次なる店を目指して、涼しさの増した水戸の街を歩いた。
(つづく)