(前ページからのつづき)
ほろ酔いで黄門さん通りのアーケードを水戸駅に向けて歩いていると、特徴的な片側ひとつ目ライトのバスが坂を登ってくる。
昼に乗る機会を得た1102号車で、夜8時を迎えたこの時間になっても、帰宅客を乗せて活躍している。
嬉しくなって近くのバス停に駆け寄って並んでいた方々に続いて乗り込み、後ドア直前の席に座る。
ドライバーさんは、 昼間に乗った時と同じ方で、パワフルではないはずの中型エンジンの出力をうまく引き出しつつ、駆動系の負担が大きくならないよう気遣いながら乗っているのがわかる。
車内は満席に近いが、皆さんスマホに視線を落としていて話声などは聞こえず、エンジン・駆動系のサウンドやロッドシフトの操作音を楽しむことができる。
後ろの席からは車内がよく見え、昼間は感じることのできなかった車内灯や停車ランプの柔らかな光が醸すレトロ感を味わう。
15分ほど乗車して茨大前で下車。今日2回目の1102号車をほろ酔いで楽しめた喜びにひたりながら、茨城大学周辺をぶらぶら。
周辺の飲食店では夜でも600円台の定食メニューが数種類掲示されており、地味な街並みながら学生街であることを感じる。

やってきた元京王バスのHRで大工町まで戻り、昼にブラついた水戸歓楽街の夜の様子をウォッチしながら、以前から気になっていた建物を目指して歩いた。
(つづく)