バスつれづれ(23) | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、東京都小平市にバス見物。


同市では、2014年から市民に公共交通機関を身近に感じてもらうことなどを目的としたイベント「バスとタクシーのひろばin小平」を開催しており、1度訪れたいと思っていた。


8回目となる今回の会場は、西武拝島線と国分寺線が交わる小川駅から徒歩約10分の新東京自動車教習所。


小川には、駅の北東に昨年の「バスとタクシーのひろばin小平」会場にもなった大手タイヤメーカーの技術開発拠点やギャラリーがあるので、取材などで何度か訪れたことがあるが、駅の南西方向に歩くのは初めて。


5月の晴天の下、小川駅を後にして団地の並ぶ通りを抜けると左手に畑が広がり、その向こうを西武線の黄色い電車が弧を描きながら横切っていく。


西武拝島線の踏切を渡り住宅街を抜け、突き当たりのバス通りを右折すると、ほどなく会場の新東京自動車教習所に到着。


教習所内には小平市内や周辺を走る自動車運送事業者のバスやタクシーのほか、教習車などが展示されており、家族連れを中心に賑わっている。


バスの展示されている教習コースの中に入ろうとすると、係の方が手に持ったロープを張り「ボンネットバスが通りまぁす」と、人力踏切が作動し、目の前を白と緑のボンネットバスが通過する。

このクルマはNPO法人バス保存会(特定非営利活動法人 日本バス文化保存振興委員会)が保有する元三重交通のいすずBXD30で、今回のイベントでは展示のほか、乗車体験車両として親子連れをはじめとする来場者の笑顔と歓声を生み出している。

保存会のS理事長さんは交通ジャーナリストとしても著名な方で、私にとっては神様のような存在。

学生時代からご著書に学ばせていただいているが、若い頃に従事していた中部地方の鉄道会社で弟さんとご一緒させていただいたご縁から、これまで何度かご挨拶させていただいている。

今回も「Tさん(弟さんのお名前)とM社でご一緒させていただいていたO(私の苗字)です」と名乗ると、笑顔で応じて下さりながら指で周回コース内側の方角を示される。

そちらに視線を移すとTさんがいらっしゃったので、ご挨拶申し上げたところ30年近いご無沙汰にもかかわらず思い出して下さり、しばし昔話に花が咲く。

お名刺を頂戴すると、当時とは異なるグループの電鉄系バス会社の常務さんになられており、ご兄弟でバスをはじめとする地域公共交通機関の維持・発展に携われていることにあらためて感銘を受ける。

昔話を楽しんでいると、Sさんが他の方をTさんに紹介されたので、またお会いましょうと別れを告げ、他の展示車両に向かう。
こちらは、お隣の東村山市に本社を置き、小平市内に乗り入れる路線バスも運行する「銀河鉄道」という社名のバス会社から参加した2002年2月初度登録の日産ディーゼルKL-UA452MSN。

岐阜県の東濃鉄道に新車で投入され、2015年から銀河鉄道で活躍しているそうで、すでに製造から20年以上が経っているがご覧の通りピカピカ。

ボディは、すでにバスの製造をやめた富士重工の通称「新7E」で、都内で日常的に乗ることのできる貴重な存在。

次に向かったのは「元祖7E」と呼びたくなる1995年製造の関東バスB3008号車。
かつての関東バス大型車の標準仕様とも言える3ドアタイプで、登場から28年を経た今も現役。

前にロープが付いているのは、こんなイベントに使われたため。
参加者の顔が判別できないよう遠くから撮影したため、ちょっと分かりにくいが、事前申し込みした小学生以下の30人が、親と同年代のベテランバスを引っ張る「バスとつな引き」。

バスを綱で引っ張るだけの他愛ないものだが子供たちには人気があるようで、9月20日の「バスの日」の前後に全国で開かれる関連イベントなどでもよく見かける。

晴天に恵まれてよかったと思いながら、参加した子供たちが少しでもバスを身近に感じてくれますようにと願って会場をあとにした。