30年ぶりの再会 | 酔いどれパパのブログ

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「お風呂」と「酒」と「路線バス」に関する駄文を書き連ねております。

過日、伊香保温泉で所用があったので、八王子駅から高速バス「高崎・伊香保・四万温泉号八王子線」に乗車。


8時30分の発車5分前に八王子駅北口13番乗り場に着くと10人ほどが待っており、ほどなく西東京バスの四万温泉行きが到着。賑やかなマダム6人組を先頭にドライバーさんの改札を受けて車内へ。


京王八王子駅からの客を含め15人ほどを乗せたバスは、朝ラッシュの八王子駅をあとに、ひよどり山トンネルを抜けて新滝山街道を進む。


梅雨入り前の車窓の緑を眺めながらドライバーさんの丁寧なアナウンスに耳を傾けていると、「担当乗務員はMです」とのこと。


そういえば中学校時代に仲の良かった同じ苗字のM君も西東京バスのドライバーになって今では指導運転士を務めていると、同じように西東京バスでハンドルを握る中学校時代の友人から聞いていた。


八王子駅で改札を受けた時に、ドライバーさんが被っていた制帽には2本の白筋が入っており指導運転士であることを示していたから、同級生のM君の可能性もある。


会っていない30年の間に外見が大きく変わることは己がその顕著な例だから人のことは言えないけれど、改札時にお見かけしたドライバーさんにM君のかつてのシャープな印象は重ならず、今のところ判断できない。


路線バスなら運賃表示機にドライバー名がフルネームで示されるが、高速バスでは前ドア上部に掲示されているので、7列目の私の席からは見えない。


次のトイレ休憩の時にでも確かめようと思いながら車窓の風景に癒されていると、バスは関越道に入り、すぐに高坂サービスエリアに寄る。


約15分の休憩がアナウンスされ、他の客が降りた後に通路を進んでドア上部に目をやると、やはりM君の氏名だったので、「失礼ですが、運転士さんはN中学校のご出身でいらっしゃいませんか」と尋ねると、「そうですが」とのことだったので、1度マスクを外してから「O(私の苗字)だよ」というと、「おぉタケ」と懐かしい調子で私のあだ名を口にしてくれる。


車外に出て久々に会話を交わすと、今は京王プラザホテル八王子になっている八王子駅前の京王帝都電鉄八王子営業所に出入りするバスを一緒に眺めていた頃に心が戻る。


別の高校に進んだ後にもM君のバイクの後部座席に乗せてもらって夜の横田基地に飛行機を見に行ったりしたが、あれから30年が経過して、彼が地域の足を守る会社で後進の育成に当たる立場になられ、その仕事ぶりの一端を目の当たりにすることができて嬉しい。


30年ぶりにM君と「連れ⚪ョン」を済ませてバスに戻り、9時50分になるとドアクローズ。ふたたび彼の安定した運転で関越道を進む。


最初はJRの特急と路線バスを乗り継いで伊香保温泉に向かおうと考えていたが、取材のスタート90分前にホテル最寄りバス停に到着するダイヤなら多少の渋滞が発生しても大丈夫だろうとの判断から高速バスに切り替えたのが吉と出た。


M君も本来は公休日だったそうだが、欠員が出たため久しぶりにこの路線に乗務したとのこと。久々の再会は偶然の産物だが、会うべき人とは会うようにできていると考えるタチなので、必然のようにも思える。彼がどう思ったかはわからないが…


バスはほぼ定刻に伊香保温泉に到着。

爽やかな空気の流れる伊香保温泉階段口バス停に降り立ってM君とひと言交わし、四万温泉を目指して伊香保温泉をあとにするバスを見送った。