仕事の打ち合わせに60代の女性と。
ふとしたきっかけで人生の「家族の絆」についてお話が出てきました。
「家族の絆」をテーマにした内容にしよう、という事になったわけで。
改めて聞かれると、「我が家はなんだろう?」と考えるわけです。
その時に60代の女性は半生についてお話くださいました。
その方の旦那さんが「人の心の裏側を読む(さっする)」であったり、「人との早い会話のテンポについていけない」という軽度ではありますが「障害」があるそうです。
知的障害はないため、学習には問題がない点で余計に認知がおくれたそうです。
今ではよく知られるようにもなった「障害」ですが、なにぶん60代。今では当たり前の知識も、まったく知りえる事はできず。
これまでの人生にその様な知識を持つ人も近くにおらず、情報開示も進んでおらず、本も少なく。ということで、ご本人はもちろん、ご家族も数年前まで知らなかったそうです。
旦那さんの障害の名前を教えてくださったとき、「知っていますか?」と静かに言われました。
私が知っていますよ。っとお答えすると。
なんとも言えず、安堵と喜びとわずかに悲しい顔をされました。
「人の言葉の裏側をさっすることができない」 そんな表現でご主人のことを周囲にこぼすと、「そんなん誰でもやん」と返されてきたそうで、もう周囲の方々に理解を求めることが嫌になっていたそうです。
堰を切ったようにお話され、でも数年前に娘さんが成人されたおり、あるきっかけで障害の事を知り、お父さんがその障害では? と思われたところから認知されたそうです。
今までは「性格」だと思って許せない、腹が立つ、っと険悪になることも多かったそうです。
それが「障害」であると分かったことで、色々なわだかまりが解けていかれて、今では絆を深めることができている、という体験をお聞きしました。
最後に「知っていてくれてこれほど嬉しいことはありません」とおっしゃってくださいました
私は具体的に何もアドバイスをしたわけではありません。
ただ知っていただけです。そして症状を聞いて、「そうですね、そういう特徴がありますね」と頷いていただけです。
ですが、私が「知っている」ということで本当に喜んでくださいました。
無知こそ悪だ!と聞いたことがあります。
是も非もなく、ただ「知っている」、「知ること」の大切さを教えてもらいました。
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