アルド コンテルノ:バローロ リゼルヴァ グランブッシア 1982 その3 | 古きイタリアワインの魅力を読み解く

古きイタリアワインの魅力を読み解く

イタリアンワインガイド ガンベロ・ロッソ 1988-1989
イタリアワイン界に多大な影響を与えるガンベロ・ロッソ Gambero Rossoですが、この初期(1988や1989当時)のレアなイタリアワインと古酒の数々を、掘り下げて解説します。

Vini d'Italia 1989 Gambero Rosso Vol.93

Aldo Conterno-Barolo Riserva Granbussia 1982 その3

 

大人気のGranbussia。二回に渡ってお書きしました。

そんな人気だからでしょうか、Aldo Conternoはフェイクワインが非常に多い。特にオールドヴィンテージの身元が疑わしいワインが絶えません。

2019年10月31日から11月3日の4回に渡って書いたAldo Conterno、12月18日から20日の3回に渡って紹介したGiacomo Conternoで書いた通り、1969年にAldo Conternoが旧カンティーナFavotを購入し、会社が設立された事は間違いありません。よって、Aldo Conterno自らが醸したワインは早くとも1969年ヴィンテージからとなります。

但し、彼がFavotを購入した時に旧所有者が仕込んだワインがカンティーナに残っており、そのワインをAldo Conternoが瓶詰して販売、設立時の運営資金に充てたかもという可能性はあり、事実その様な事をしたというインタビュー記事が残っています。但しその場合は当然、中身はAldoが仕込んだ物では無く、Favot時代のワインをAldo Conternoのラベルを付けて販売した物であり、厳密な意味でのAldo Conternoの手から成るワインではありませんね。

よって1930年代のAldo Conternoとは、いったいどういう事でしょうか。Aldo Conternoは1931年生まれです。Granbussiaの概念は3クリュからのセレクション。なので3クリュのセレクションが出来ないFavot時代にはGranbussiaの造り様が無く、1971以前のGranbussiaは存在しないはずです。

 

次に液色。バローロというとその味わいやイメージから濃い色合いを連想しがちですが、実際には長い醸しの割には液色が薄いのです。ネッビオーロとピエモンテの特性上、RFを行ったとしても色素は果てしなくどす黒く抽出される訳では無く、ある程度まで行くとそれ以上の色合いにはなりません。更に一旦抽出されたアントシアニンや色素成分が、バローロやGranbussiaの規定による長期の樽熟や瓶熟により退色するからです。

よって、光線を通さないどす黒いバローロとは何でしょうか?Granbussiaのみならずオールド物には、そういう疑わしいワインが市場に溢れています。

 

様々な意味でAldo Conternoが仕込んだワインを味わいたいのであれば、危ない物に手を出さず、どうぞ1971年以降をお楽しみ下さい。

 

Granbussia。

とにかく圧倒的だなあ。北の湖?鶴田?ヒョードル?いや、ローラン・ボック?ゴッチ?ルー・テーズ?

私より先輩の方なら『ゴーディエンコ』とおっしゃるかな?

 

すいませんね、格闘技好きなもので。でも、こんな事解る人、いるのかしらん。

 

この項 了。

Barolo Riserva Granbussia 1985  1989  1990 
バローロ・
リゼルヴァ グランブッシア 1985 1989 1990

疑わしきAldo Conterno 1931 1961

Barolo Riserva Granbussia 1971 グランブッシア 1971 本物

Barolo Riserva Vigna Romirasco ヴィーニャ・ロミラスコは昨今まで商品化されませんでしたが、

カヴァリエ―リ・ダルバ寄進用にはこのラベルで生産されていました

この様に剥がれやすいラベル。ヴィンテージは別ラベルです

バローロ・ブッシア・ソプラーナ 1974

コロンネッロ 1978 この時代はバローロ・ブリッコ・ブッシア ヴィーニャ・コロンネッロというラベルです