先週の悪臭騒ぎ、フランス北部や英国南部在住のみなさん、大丈夫でしたでしょうか?
この悪臭の元となった物質は メルカプタン(チオール) mercaptan (thiol 発音はサイオ-ル)。
一般構造式はこれ↓
このS硫黄とH水素の組み合わせをSH基(チオール基)というのですが、
SH基のある化合物は臭いです。
その中でも、上の構造式の
R部分にCH3がくるとメチルメルカプタン(メタンチオール)。 玉葱や卵の腐ったような匂いですが、干物やチーズなど美味しそうな匂いの中にも含まれているものなので、悪臭になるかどうかは量的な問題なのでしょうね。
R部分にC2H5がくるとエタンチオール。 世界で最も臭い物質とギネスにも認定されているとか。
R部分にC3H7がくると1-プロパンチオール。 果物の王様ドリアンに含まれる物質なのだそうです。
さてさて、今回も英国ノッティンガム大学のPoliakoff博士に解説していただくことにしますね。^^
博士の説明によれば...
都市ガスには、ガス漏れに気付きやすくするためにチオールが添加されています。
(上図のR部分が(CH3)3C である2-メチルー2プロパンチオール)
そのため、この臭いが広がった地域ではガス会社への苦情の電話が殺到したそうです。
われわれは何故、チオールを臭く感じるのか?
はっきりとはわからないが、腐った食べ物から生ずる臭いなので、この匂いに対する感受性のある者の方が有利で、進化の過程で生き残ってきたであろうとも考えられているとか...
実は、私自身も大学生の頃にチオールを扱う実験をよくやっていたのですよ。
SH基は2つ結びついてS-Sブリッジになると構造変化が起きるのですが、
タンパク質の中の存在するSH基を定量して、その性質を調べたりしていました。
だから、、あの強烈な臭いも、もちろんよく知ってます。^^
濃度が高くなければ危険な物質ではないのですが、
気になる方はこちらをどうぞ→国際化学物質安全性カード
ビデオの最後にもありましたが、
漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使えば、簡単に臭いを消すこともできます。
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