(7月22日 asahi.com )
放射性物質が人体に与える影響を検討していた食品安全委員会の作業部会で21日、「発がん影響が明らかになるのは、生涯の累積線量で100ミリシーベルト以上」とする事務局案が示された。食品だけでなく、外部環境からの被曝(ひばく)を含む。平時から浴びている自然由来の放射線量は除いた。この案を軸に来週にも最終結論を出し、厚生労働省に答申する。ただ厚労省からは「基準づくりは難航しそうだ」と、戸惑いの声があがっている。
厚生労働省は福島第一原発の事故を受け、3月17日に食品衛生法に基づき、放射性物質に汚染された食品の流通を規制する暫定基準を設定、この基準の科学的根拠を得るために、食品からの被曝による健康影響評価を食品安全委員会に諮問していた、
ことについては聞いていました。しかし、今後、放射性物質との付き合いが長期になるので、今の基準値で良いわけはない。
その理由→食品の放射性物質の暫定基準値がどのように決まったかー勝川俊雄 公式サイト
早く基準を見直しをすべきなのに一体何をぐずぐずしているのか、と苛立ちながらも、委員会の議事録を読もうと思うまでの熱意はなかった私です。
しかし、22日の朝日新聞で、「生涯被曝100ミリ基準」案というのを読んで、頭の中を整理しておこうと思い立ちました。
ところで、放射線防護の線量の基準の考え方で、まず、はっきりさせておかなければならないのは、
今は、事故後のどの時期かということなんですね。 下図の(b)?(c)?
原発事故は収束したと言えるのでしょうか?未だに言えませんよね。
ならば、(b)でしょう。
計画的避難区域は外部被曝が20mSV/年が基準と決まった根拠は、この(b)(c)の境界基準線量です。
100mSV/年は、「被曝により発がんによる死亡リスクが0.5%上がる」とされている値です。
現行の暫定基準では、食品からの年間被曝量をヨウ素やセシウムなど核種ごとに割り当て、全体で17mSV/年を超えないように設定されています。(最初は、5mSV/年以内を目標にしていたそうなんだけど、会議を繰り返すうちに、なぜか核種ごと5mSV/年の話にすり替わってしまったそうな、で、結果的に17mSV/年となった)
「生涯被曝」とは、生涯の累積被曝ということなので、生涯被曝100ミリ基準となると、緊急時に20mSV浴びたら、残りの生涯で被曝を80mSVに抑えるのが望ましいという考え方になります。また、子どもや胎児はより影響を受けやすいので、年代別に考えて、きめ細かな基準値が必要になってきます。なので、作業が複雑で時間がかかりそうだというのは、理解できます。でも、国も制度そのものの信頼を失いたくなければ早急にやるべきことだと思います。
ところで、
食品中の放射性物質の単位はBq(ベクレル)なのでは?と思われた方もいらっしゃると思います。今回ここで詳しく書くのは省きますが、BqをmSV(シーベルト)に換算する方法を簡略化して示してくれいている武田邦彦教授の記事は参考になります。
また、その具体的な例をどう乗り切るか、毎日、迷っているお母さんに で示してくれています。
私は自分の正反対のことを同時に考える の記事の中では、放射性物質について考えるときにバランス感覚が大事だと漠然と述べることしかできなかったのですが、まさに、その具体的な例で計算した数値をmSVで出してくれているので、わ~さすが!と思いました。
でも考えたら、栄養士さんのよくやる栄養・カロリー計算と大して変わらない気もしますね、慣れると、誰にでも出来るかも・・・
もちろん、そうできるためには正確な情報を速やかに開示してもらう必要があるのです。
そして、基準がどのように決められたかも明らかにしてほしいです。
「基準値を超えていないから安心です」
(流通させることが目的の人には、安心なんでしょうが)
というだけでは、国民は安心なんてできません。私たちは事故以前の私たちではありませんよね。
この機会に制度を良い方向に変えていけるよう、批判すべきところはしっかり批判しなければならないと思っています。(単なる愚痴もたまにはいいですが、できれば建設的な意見で批判しましょ(^_^))
参考サイト