真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS)  -14ページ目

晩餐・6


 ハ・ティムは誰もいなくなったリビングに「光る石」を運び出し、彼の本当の仲間にメッセージを伝えた。

 

 かつては自分の主であり今は良き友「白銀のリヒター」はひとりで旅を続けている。

 通信用のアイテムを発明したのはお互いの近況を知らせ合うため。このアイテムを、リューゲンたちへは自分たちへの不信感を抱かせないようにと振り分けたのだ。


 暗い部屋に一点だけの輝き。


 その名の通り、「光る石」はハ・ティムが本当に心を通わせたい男にその言葉を運んでくれる。


 ハ・ティムにとってリューゲンたちは敵だった。数十年前にパーティーを組み、デーモンを極限まで追い詰めたそのときでさえも。


 リヒターの治めるはずだった祖国に危害を加えるものを排除するために利用したにすぎない。


 そして得た不老の肉体。不本意だった。

 老いは恐怖であると同時に救いでもあるから。


 終わりのない人生など恐ろしい。終わりがあるから人は今を生きることができる、そうハ・ティムは考える。



 ひとつだけの希望と救済。


  


 リヒターが永遠に若く美しいままであることだけが救いではあった。白銀の髪をしたただ一人、本当の自分の主。



MARIA


なんだか急に気弱になる。誰だってあるでしょう。


強い奴ほど実は寂しい。


それでさ。意地張ってると自分ばっかりつまんなくなるのよ。


苦手な奴でもそいつのことを面白く思えなくても、成功なんかは素直に褒めてあげる。


それができる自分を好きになれるわ。




真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS) Cyber Commander  リースロット帝国の記憶


それでもわたしは愛する側に回りたい。


笑って手を差し伸べたその相手が、振り返った瞬間にわたしの背中をナイフで貫いたとしても。


愛した瞬間や信じたそのときは素晴らしいもの。


裏切られたとわかる前に深く眠っているのなら怖くない。


わたしは裏切る側にはなりたくない。





もしかしたら



 笑うことや泣くこと、嬉しい悲しいとか感動する、楽しいも寂しいも。


 そういった感情はすべて同じ線の上にあるんじゃないかしら。

光に手をかざすゴルドの言葉


真説ミリアムの魔術書・武術家たちの誇り (THE REAL FIGHTERS) Cyber Commander  リースロット帝国の記憶


ただご飯を食べて安心して眠ること。


突き詰めていけばこのふたつが生きることだ。


余計なことで悩んでばかりいる人間をオレは理解できん。



わたしが言えること


 他人が自分を馬鹿にしたってほっとけばいい。


 でも自分で自分を否定してはいけない。

 

 頭が足らなくても、綺麗じゃなくても、自分はどこにいてもいつでも自分でしかないから。


 周りがなんといっても自分はここに居るここに在ると自分だけは認めないといけない。


 自分がそれを信じなかったら終わってしまう。


 そしてわたしはわたしを自分から終わらせたりはしない。