晩餐・6
ハ・ティムは誰もいなくなったリビングに「光る石」を運び出し、彼の本当の仲間にメッセージを伝えた。
かつては自分の主であり今は良き友「白銀のリヒター」はひとりで旅を続けている。
通信用のアイテムを発明したのはお互いの近況を知らせ合うため。このアイテムを、リューゲンたちへは自分たちへの不信感を抱かせないようにと振り分けたのだ。
暗い部屋に一点だけの輝き。
その名の通り、「光る石」はハ・ティムが本当に心を通わせたい男にその言葉を運んでくれる。
ハ・ティムにとってリューゲンたちは敵だった。数十年前にパーティーを組み、デーモンを極限まで追い詰めたそのときでさえも。
リヒターの治めるはずだった祖国に危害を加えるものを排除するために利用したにすぎない。
そして得た不老の肉体。不本意だった。
老いは恐怖であると同時に救いでもあるから。
終わりのない人生など恐ろしい。終わりがあるから人は今を生きることができる、そうハ・ティムは考える。
ひとつだけの希望と救済。
リヒターが永遠に若く美しいままであることだけが救いではあった。白銀の髪をしたただ一人、本当の自分の主。
わたしが言えること
他人が自分を馬鹿にしたってほっとけばいい。
でも自分で自分を否定してはいけない。
頭が足らなくても、綺麗じゃなくても、自分はどこにいてもいつでも自分でしかないから。
周りがなんといっても自分はここに居るここに在ると自分だけは認めないといけない。
自分がそれを信じなかったら終わってしまう。
そしてわたしはわたしを自分から終わらせたりはしない。

