夜明けの審問 Sana VS Dawn
位置不明。
クラス;魔術士系
性別;女性
所持品;光る石(マジックアイテム)
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
黒髪の女は踊り子の衣装の胸元に”光る石”を隠して神妙そうに(あくまで演技だが)座っている。
仄暗い部屋は思いのほか風通しはよく、ガラスのない枠だけの窓からは心地良い風が時折吹き込んできた。
いまにも怒鳴りだしそうな男は初老で、女とは親子ほどの年齢差がありそうにも見えた。
それでも女は「この世界はわたくしのこころの国。あなたはあとから来たの。だからわたくしのほうが大人なの」と、そんなことを平然と言ったものだから、どんなに「神妙な」表情をしてみたところで無駄だった。
黒髪は後頭部の中央でひとつにまとめ、色とりどりのビーズを編みこんだ組紐で括られている。
身に着けている装束こそ華やかではあるものの、いま女は牢獄に放り込まれるか数ヶ月は監視つきで暮らすかの瀬戸際にあった。
審問するのは初老の男ひとり。それ以外の兵士や司教は女と目を合わせるなり、気絶、痙攣、幻影その他諸々の症状を見せ、全員が部屋から出された。
なぜ自分だけが無事なのかは彼にもわからない。
リースロットは静かに狂ってゆく。
何十年も昔の英雄が蘇り、この時代を生きる若者たちは記憶を失う者、なすすべもなく死にゆく者とあり、さらには謎の復活を遂げつつあるデーモン、と混沌としてその濁った空気に灰色の塗料を加え、あえて視覚化できるようにされたような。
そんな中「目を覚ました」のがもうひとりのサナ、ドーン(Dawn)。
男は”瓦礫の王”ウィルソンの弟子のうちのひとりであった。
ドーンを知るのはいまのところはウィルソンのみ。
しかし、ウィルソンが蘇ったアークエンジェル・ケイティを従え戦闘態勢に入ったいま、かつての師弟がまともに会話できるとは考え難い。
ドーンはあっさり捕まり、痙攣や幻影に苦しむ司教たちを横目に見て、からかうように笑いながら審問の部屋に連行された。
胸元の”光る石”にそっと呪詛を唱えたのは、枠だけの窓から再び風が吹き込んだ瞬間と同時だった。
黒髪の女。もうひとりのサナ、ドーンは彼女にとって最愛のターシルに向けてメッセージを送ったのだった。
大陸を駆け巡る
裁きの剣を持ち、ウィルソン師に抱きかかえられて目覚めた。
そこにはエヴァンはいなくて、少し大人になったわたしがいた。16歳のままでは若すぎる、とか。
いまのわたしは20歳くらいなんですって。大人になったってことよね。
エンジェルとしての羽衣も、ただ重いばかりだった剣もちょうどいいくらい。
でもウィルソン師はまだ詳しいことを話さない。だからそのときがくるまで待つことにした。
いつか厭でもすべてを知って受け入れなければならない日がくる。
その前に・・・このリースロットで生きる者を8人までに絞るのだそうよ。その中にはわたしも入っているの。
黙って殺されるわたしは、弱いケイティはもういない。
エヴァンもこのリースロットのどこかで大人になってるのかもしれない。
戦いましょう。朽ちるまで。

