藤田医科大学 ばんたね病院 脳神経外科 准教授 小松文成先生 ご来訪 | 太閤クリニック

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我々脳神経外科医は三叉神経痛や半側顔面痙攣によく遭遇する。

両者とも薬物治療 手術治療 があります。

・三叉神経痛

 左右どちらかの歯茎、顎、頬、額に発作的に激しい痛みが出現する病気です。痛みは、食事や洗顔、歯磨きなどで誘発されることが多く、激痛のため食事が取れなかったり、歯磨きや洗顔ができないこともあります。病状が進行しても、生命や後遺障害などの危険性はないので、急いで治療しなくてもよい病気ですが、激痛のため生活に支障をきたすことが少なくありません。原因は、顔面の感覚神経である三叉神経が何らかの構造物で圧迫されているためです。三叉神経の原因として最も多いものが動脈による圧迫で、他には静脈、脳腫瘍、くも膜の癒着が原因になることもあります。これらの原因は、手術前にMRI検査で同定できます。昭和の時代は歯が悪いと歯医者さん言われて抜歯をされても治らない。とよく我々に送られてきました。平成令和と啓蒙が進んで患者さん自ら、歯医者さんを経由して受診されます。薬物療法で警戒する人もいます。私の世代では顕微鏡的に神経血管減圧術をして来ました。全身麻酔で小開頭して顕微鏡で三叉神経と上小脳動脈を剥離して手術用糊やテフロンなどで剥離する。劇的に良くなります。私は200例弱手術をしました。予後は素晴らしく良くなります。

・半側顔面けいれん

片側の目や口元が引きつって、勝手にピクピクと動く病気です。病状が進行しても、生命や後遺障害などの危険性はないので、急いで治療しなくてもよい病気ですが、人前に出るお仕事をされている方や、女性にとっては大きな苦痛となります。原因は、顔面の筋肉を動かす神経(顔面神経)が脳の血管より圧迫されているためで、この血管圧迫により神経の電気信号の乱れが生じて顔面の筋肉に伝わると考えられています。

顔面神経に前下小脳動脈が圧迫されていることが多い。私は100例弱執刀ました。

 

今回 小松文成准教授(私より9年後輩である)は 内視鏡的に低侵襲で同じ様に神経血管減圧をされるようである。例数を聞いて驚いた。年間157例/2023年 時代が変わっているのだろう。世代交代と医学の進歩なのだろう。

私には経験がない。昨夜論文と術中ビデオを送って頂いた。術野が驚くほど鮮明である。患者さんが何人かいるので紹介してみたいと思う。

その前に一度私が見学に行こうかな?

因みに遠い昔 25年前 静岡県で初めて内視鏡手術をしたパイオニアである。いばるようで小松先生には言えなかったが…