新装開店の素晴らしいフレンチ、ダルジャン・デ・サンスを訪問 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

11月のこと、四日前に新装開店した丸の内のフレンチ、『ジャルダン・デ・サンス東京』で彼女と過ごす素敵な午後の続き。

ここは、モンペリエのレストラン、『ジャルダン・デ・サンス』の東京店。

 

モンペリエのレストランを率いるのは、23歳の若さで店を開き、わずか十年後に史上最年少(当時)で三つ星を獲得した天才シェフ、ジャック&ローラン・プルセル兄弟。

地中海の光と風、季節の恵みを、フランス料理の確かな技法で軽やかに表現するプルセル兄弟の料理、”プルセル・キュイジーヌ”が好きで、前身の『サンス・エ・サヴール』の時から楽しんでいた。

 

四ヶ月の休業後の開店を待ちわびていた客で、店内は殆ど満席。

私たちの席はダイニングの一番奥で、金坂支配人によると”最上のテーブル”。

その席から入口方向を撮影。

 

二面が全面ガラス張りの角のテーブルで、眼下には皇居を見渡すことができる。

緑の屋根は宮殿、その右の白いビルは宮内庁。

小雨で煙り、遠景は霞んで見える。

 

ビルカール・サルモンのブリュット、ロゼのボトルを飲み干し、白ワインをグラスで飲んだ後は、ヴィアンド用に赤ワインをグラスで。

 

ソムリエと相談し彼女が選んだのは、南仏ラングドック・ルーションのシャトー・ピュエシュ・オーが造る、コトー・デュ・ラングドック、テット・ド・ベリエ、ルージュ、2020年。

『ダルジャン・デ・サンス』があるモンペリエから北東に15kmほどの場所にあるシャトー。

先に飲んだ白ワインと同じ造り手のワイン。

 

一口、テイスティングさせてもらう。

ブラックベリー、プラム、カシスなどの香り。

濃厚な果実味と強いがまろやかなタンニン、樽由来のバニラのニュアンスも心地よい。

木樽で発酵後、熟成は新樽で18ヶ月。

アルコール度数は15.5%と驚くほど高いが、果実味が強いのでアルコールアタックは感じない。

セパージュは、シラー70%、グルナッシュ20%、ムールヴェードル8%、カリニャン2%。

 

ところで、”テット・ド・ベリエ”は”雄羊の頭”という意味。

畑を開墾した時に、地中からローマ時代の雄羊の彫刻が出土したことから、雄羊をシャトーのロゴマークとし、ワイン名にも使っている。

この写真が、セラー内に置かれた雄羊の像。

(写真はシャトーのH.P.からお借りしました。)

 

私が選んだのは好きな造り手の濃厚な赤。

ラングドック・ルーションのドメーヌ・ゴビーが造る、コート・デュ・ルーション・ヴィラージュ、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2011年。

 

ドメーヌ・ゴビーはフランスでも入手困難な人気の造り手。

二週間前にも六本木のフレンチでゴビーのワインを飲んでいる。

 

完熟した黒果実の凝縮感と15年の時を経た熟成感。

濃厚な果実味と強くまろやかなタンニンのバランスが素晴らしい、重厚感のあるフルボディ。

ぶどうは、カリニャン、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルで、樹齢30~100年の果実がブレンドされている。

 

テーブル上が賑やかになった。

 

飲んでいる飲料水は、イタリア、PUREZZAのプレミアム・ウォーター、スパークリングの二本目。

ボトルにもお店のロゴマーク、”JDS”。

 

青オリーブのフォカッチャは二個め。

その前にルヴァン種のパンも二枚食べているので、食べ過ぎ。

新しいバターも届く。

 

最初のは美瑛放牧酪農場のバターだったが、これはエシレの発酵バター。

 

カトラリーはクリストフルだが、ヴィアンド用にはラギオールが出される。

 

ヴィアンドは、鹿児島県産やごろう豚のロティ、サツマイモのピューレとジャガイモのエスプーマ、燻製香るセップ茸のジュ。

 

金坂支配人がソースをかけてくれる。

セップ茸の香りが素晴らしい。

 

やごろう豚は、”やごろうどん”と読むのだそうだ。

大隅半島の自然の中で育てられた、オレイン酸含有率の高い黒豚。

 

ピンクの焼き色が食欲を刺激する。

濃厚な旨味を持ち、肉質は柔らか。

 

ヴィアンドを食べ終わったところで、爽やかな香りをまとった二つ目のお手拭きが届く。

何の香りか教えてもらったが、失念。

 

デセールは、林檎のコンポジション、カルヴァドスの香り。

 

林檎のソルベ、林檎のコンポート、薄切りの林檎のコンポジション。

 

最下層にはホワイトチョコレートのクリーム。

カルヴァドスの香りが心地良い。

 

食後の飲み物は、彼女はハーブティー。

私はコーヒー。

 

ミニャルディーズも届く。

 

クラシックフィナンシェ。

 

鬼灯のキャラメリゼ。

これは鈴木シェフのスペシャリティ。

 

『サンス・エ・サヴール』から生まれ変わった『ダルジャン・デ・サンス東京』は料理もサービスも一段と進化し、素晴らしかった。

鈴木シェフは改装期間を利用し、モンペリエに一ヶ月間修行に行かれている。

開店後三日間はジャック&ローラン・プルセル兄弟がモンペリエから来られていたそうだ。

私が訪問したのは残念ながら四日目。

金坂支配人に見送られ、満ち足りた思いで店をあとにする。

彼女と過ごす、丸の内の素敵な午後でした。