美術館巡り、国立西洋美術館 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

5月のこと、ちぃさんと上野の「国立西洋美術館」で””西洋絵画、どこから見るか?”展鑑賞の続き。

「サンディエゴ美術館(SDMA)」と「国立西洋美術館(NMWA)」の共同企画展で、両美術館所蔵の88作品が展示されている。

サンディエゴから出展される49点(常設展示場で展示される5点を含む)は全て日本初公開。

この絵画展は、個人使用目的での写真撮影は可能。

SNSでの発信が禁止されている作品には”禁SNS”のタグが付けられている。

見逃された方のために、少し詳しくアップ。

 

第Ⅲ章は18世紀。

H.P.の説明を添付。

18世紀、ヴェネチアとローマの二大観光地ではヴェドゥータと呼ばれる都市景観画が人気を博したとのこと。

ここではヴェドゥータを代表する二人の画家によるヴェネチアの景観画が展示されている。

 

ベルナルド・ベロット「ヴェネツィア、サン・マルコ湾から望むモーロ岸壁」(1740年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

これはまさに絵葉書にそのまま使える景観画。

 

フランチェスコ・グアルディ「南側から望むカナル・グランデとリアルト橋」(1775年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

ローマで発展した景観画、”カプリッチョ”(奇想画)は面白い。

ローマ市内に点在する古代遺跡や架空の建造物を自由に組み合わせ、実際には存在しない景観が描かれている。

 

ジョヴァンニ・パオロ・パニーニ「古代建築と彫刻のカプリッチョ」(1745-50年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

左は”ファルネーゼのヘラクレス像”、中央には”サンタ・コンスタンツァの石棺”。

建築物は廃墟となっているが、人物は古代の衣装を身にまとっている。

 

ユベール・ロベール「モンテ・カヴァッロの巨像と聖堂の見える空想のローマ景観」(1786年) 油彩/カンヴァス  NMWA

左側には”カピトリーノの丘のコンセルヴァトーリ宮”、右側には”クイリナーレ広場の巨像”の一体、背景にはパンテオンのファサードとサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ。

まさに何でもありの景観画。

 

この表現がぴったり。

でも、ボケボケ。

 

ユベール・ロベール「マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、神殿の見える空想のローマ景観」(1786年) 油彩/カンヴァス  NMWA

左側には”カンピドーリオ広場のマルクス・アウレリウス騎馬像”、その後ろに”トラヤヌス記念柱”、遠景に”オベリスク”。

右側の神殿は創造の産物のようだ。

ロベールは、”廃墟の画家”として名を馳せたのだそうだ。

 

18世紀のフランスはロココ美術が花盛り。

フェット・ギャラント(雅宴画)と呼ばれる、田園風景の中で戯れる人物画が描かれている。

 

ニコラ・ランクレ「眠る羊飼いの女」(1730年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

羊飼いの男女の恋愛物語。

それにしても、当時の羊飼いはこんな優雅な衣装を身に着けていたのだろうか。

 

ジャン=パティスト・パテル「野営(兵士の休息)」(1730年頃) 油彩/板  NMWA

フランドルの画家、ルーベンスの絵の伝統が引き継がれている。

パテルは41歳を目前に早逝。

 

18世紀イタリアの風俗画はヴェネツィアで発展し、貴族や市民の日常が描かれたのだそうだ。

 

ピエトロ・ロンギ「不謹慎な殿方」(1740年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

 

身支度をする女性を衝立の陰から覗く男性。

画題としては確かに卑俗な日常だ。

 

ジュゼッペ・デ・ゴッビス「賭博場」(1760年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

ヴェネツィアで人気だった公認賭博場では、多くの男女の意味ありな情景が描かれている。

 

18世紀半ばから19世紀初頭にローマで描かれた肖像画が取り上げられている。

 

ポンペオ・ジローラモ・バトーニ「ポティエ・ド・ジュヴル枢機卿エティエンヌ=ルネ」(1758年) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

アントン・ラファエル・メングス「スペイン王太子ルイス・デ・ボルボンの肖像」(1768年) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

過度な装飾は無く背景も省略した中で、肖像画主が実に精緻に描かれ、地位や品位などが自ずと伝わる素晴らしい肖像画だ。

 

アントニオ・カノーヴァと工房「踊り子の頭部」(1820年) 大理石  SDMA

肖像画だけでなく、彫像においても素晴らしい表現力を観ることができる。

 

18世紀後半のフランスでは、革命(1789ー1799)により肖像画も貴族的なロココから秩序や理性を重んじる新古典主義へと移っていった。

 

ジャン=マルク・ナティエ「マリー=アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像」(1739年) 油彩/カンヴァス  NMWA

モデルをギリシャ=ローマの神々の姿で描くことでルイ15世の治世化で人気を博した肖像画家。

この絵では水瓶と葦の葉を配して水の精に扮している。

 

次は、二人の女流画家による二枚の絵を見較べる企画。

 

制作年を見ると、左は革命前、右は革命後。

勝負服がロココ風と新古典主義風。

 

マリー=ガブリエル・カペ「自画像」(1783年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

画家22歳の時の自画像。

 

マリー=ギョミーヌ・ブノワ「婦人の肖像」(1799年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

長くなったので、続きはまた明日。