2024年が終わろうという夜、彼女がシャンパーニュで一年を締めくくりたいというので、六本木でディナーの約束。
私は元々丸の内でお買い物の予定があったので、まずは丸の内仲通りへ。
12月25日までは”丸の内ストリートパーク”で賑わっていたが、今は閑散として寂しさを覚える。
国際ビルにはまだスーパーマリオの土管が。
クリスマスは終わっても、”丸の内ブライトホリデー”は2025年1月13日まで継続中。
目的の場所はエノテカ丸の内店。
(エノテカ丸の内店は国際ビルの建て替えに伴い、2025年3月末に閉店しています。)
ここで年始用のワインを購入。
丸の内からパピュ~ンと向かったのは、「六本木ヒルズ」。
ここで彼女と待ち合わせ。
夕暮れの空を背景にしたママン。
夕暮れには森JPタワーと東京タワーがより近くに見える。
秋ではなく季節は冬だが、「夕日のさして、山の端いと近うなりたるに」と枕草子の一節を思い出す。
現代語訳では「夕日が山の端に近づいた」となっているが、私は「夕日が射すことにより山の端が浮かび上がって近く見える」と解釈したほうが美しいと思っている。
彼女と合流すると、六本木通りを西麻布方面に下り、「ホテル&レジデンス六本木」に至る。
今夜のディナーの場所は、この中の『バー & レストラン ココノマ』。
先週はロビー内にクリスマスツリーが飾られていたが、今日はもう門松がエントランスに設置されている。
ロビーのフロントで名前を告げ、店内に案内される。
今夜はVIPルームを予約している。
このVIPルームは、店名にもなっている九間(ここのま)。
古来より最も寛いで過ごせる空間が三間x三間の九間とされており、この部屋は京都から招いた職人が仕上げたまさに癒しの空間。
床は手彫りの木材で、靴を脱いで部屋に上がる。
柔らかな木の肌触りが心地よい。
室内の生花も紅白の水引が使われ、お正月の雰囲気。
私たちのテーブルは、何時もの奥の窓際。
室内には四つのテーブルが置かれているが、結局今夜は貸し切りとなった。
カトラリーはクチポール。
和の要素も取り入れたイタリアンなので、箸も置かれている。
今夜はシャンパーニュ・ディナー。
抜栓したのは、コート・デ・バールのヴーヴ・マリアンヌが造る、ブリュット、キュヴェ・アンフィニー。
柑橘系の爽やかな香り。
果実味を綺麗な酸が包み込む、切れの良いブリュット。
セパージュは、ピノ・ノワール80%、シャルドネ15%、ピノ・ムニエ5%。
フォアグラのアミューズが届く。
皿の上には、縦切りにされた林檎が一切れ。
彼女も私も、「?」。
支配人の小林さんによると、「高原さんにまた来ていただいたので、アミューズを新しい料理に変更しましたとシェフが言っています」とのこと。
これが前回ここで食べたフォアグラのアミューズ。
林檎の果肉に見えるのは、フォアグラのムース。
種はカカオニブ、蜜はオリーブオイル。
赤い皮は色付けされたホワイトチョコレート。
林檎の、いや、フォアグラのムースの下には、林檎のコンフィチュール。
周りに散らされているのは、キャラメリゼされたナッツ類や、乾燥させた林檎。
食べるのがもったいないくらいの出来栄えだが、思い切って口に運ぶ。
口いっぱいにフォアグラの旨味が広がる。
支配人にお願いし、シェフに感謝の言葉を伝えてもらう。
彼女と過ごす六本木の素敵な年末の夜は続きます。