昨年8月のこと、ちぃさんと丸の内のフレンチ、『エリックス バイ エリック・トロション』で過ごす、素敵なシャンパーニュ・ディナーの続き。
ここは、フランスの人間国宝と称されるM.O.F.(国家最優秀職人賞)に輝くエリック・トロション氏の名を冠するお店。
ニュージーランドのブラン・ド・ブランの次、二本目のワインは、シャンパーニュ。
ラリエ、リフレクション、R.020、ブリュット。
ラリエはグラン・クリュ村のアイ村で1906年に創業。
アイ村には素晴らしいシャンパン・メゾンが集結し、ラリエもその内のひとつ。
ミュズレに名前が入っていると、コレクションしやすい。
ちぃさんと乾杯。
豊かな泡立ちが気分を高揚させる。
ラリエのシャンパーニュを象徴する四つの要素は、”ピュア”、”深み”、”フレッシュ”、”凝縮感”。
まさにこれらの要素を体現したシャンパーニュだ。
R.020は2020年のぶどうを81%用い、セパージュはシャルドネ51%、ピノ・ノワール49%。
ドサージュは7g/ℓで、瓶内熟成期間は36ヶ月以上と長い。
第二のアントレは、牛タン、レンズ豆、胡桃。
メニューに書かれた三つの食材から、どんな料理かを想像するが、何時も想像を超える料理に驚かされる。
牛タンとレンズ豆のテリーヌの存在感が素晴らしい。
レンズ豆は、最上のフランス、ピュイ産。
ソースは、マヨネーズとマスタードを合わせたもの。
添えられているのは、エンダイヴと胡桃のサラダ。
第三のアントレは、稚鮎、すじ青海苔、カダイフ。
この料理は私の予想通りで、ちぃさんに褒められる。
稚鮎のカダイフ巻きはサクサクの食感と、鮎の苦みが心地良い。
白ワインとすじ青海苔のソースが味に彩を添える。
三本目のワインもシャンパーニュ。
これは、ここの定番シャンパーニュ、シャスネ・ダルス、キュヴェ・プルミエール、ブリュット。
シャスネ・ダルスはコート・デ・バールで1956年に創業したCM(コーポラティヴ・ド・マニピュラン)。
セパージュは、ピノ・ノワール60.5%、シャルドネ39%、ピノ・ブラン0.5%。
リザーヴワイン比率は47%と高く、瓶内熟成期間は36ヶ月以上と長い。
ドサージュは、9g/ℓ。
このミュズレは持っているような気もするが、一応もらっておこう。
ポワソンが届く。
太刀魚のポワレ、オレガノとタイムとトマトのソース。
このソースはこれ単体で食べても美味いので、たっぷりの量が嬉しい。
太刀魚の下には、バジルで色付けしたクスクス。
太刀魚は完全に骨が取り除かれていて、安心して食べることが出来る。
添えられているのは、島オクラ。
ヴィアンド用に、赤ワインをグラスで。
選んだワインは、ボルドーのクリュ・ラ・マクリーヌ、2020年。
メドック地方にあるクリュ・ラ・マクリーヌでは、ワイン製造と並んで、アメリカンクォーターホースの飼育も行っている。
そのため、エチケットにはぶどうの葉と馬の絵が描かれている。
ワイン名に”シャトー”が無く”クリュ”になっているのは珍しいが、2006年にカステル夫妻がこのワイナリーを取得した時、1892年から使われているこの名前を維持することにしたのだそうだ。
バックラベルには、”シャトー・カステル・ファミリー・エステーツ”の名前も入っている。
メルローの重厚な果実味とシルキーなタンニン。
これは今夜のヴィアンドには重過ぎたかもしれない。
セパージュは、メルロー 90%、カベルネ・ソーヴィニョン 8%、プティ・ヴェルド 2%
アルコール度数は14%と高い。
ちぃさんと過ごす、丸の内の素敵な夜は続きます。