日本橋のリストランテ、『代官山ASO チェレステ日本橋』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
白ワインは、フランス、アルザスをグラスで。
ドメーヌ・ツィント・フンブレヒト、リースリング、ロッシュ・カルケール、2020年。
1620年からワイン造りを続けるフンブレヒト家の12代目、オリビエ・フンブレヒトが1959年に新たに設立したドメーヌ。
オリビエ・フンブレヒトはマスター・オブ・ワインであり、国際ビオディナミ生産者組合会長、アルザス・グラン・クリュ協会会長も務め、まさにアルザスを代表する造り手。
輝きのある淡いゴールド。
綺麗な果実味、強いミネラルと酸を持つ、驚くほどドライなボディ。
今まで飲んだリースリングの中でも傑出したワインだ。
ぶどう栽培はビオディナミで、バックラベルにはユーロリーフとビオディヴァンマークが付いている。
アンティパストは、みかん鯛と愛南ヒオウギ、発酵レモンのソース、キャビアを添えて。
ガラスの器の中には燻しの煙。
大友支配人が器を持ち上げてくれると、薫香がテーブルにふわっと広がる。
皿に振り掛けられているのは、黒め塩。
愛媛県佐田岬の磯場で採れる海藻、黒めを煮詰めて作った、藻塩。
みかん鯛は、愛媛県の宇和海で柑橘の搾りかすを餌に加えて養殖された真鯛で、魚の臭みが無く、仄かに柑橘の香りがする。
愛南ヒオウギは、愛南町で生産されるヒオウギ貝。
愛南町のヒオウギ貝の生産量は日本一なのだそうだ。
店の入口に置かれていた工芸品は、まさにこのヒオウギ貝が使われていた。
真鯛とヒオウギ貝とキャビアに、爽やかな発酵レモンのソースが良く合う。
美しくとても美味い料理だ。
フォカッチャが届く。
ここのフォカッチャは美味しいので大好き。
黒オリーブのフォカッチャとプレーンフォカッチャ。
三種類目は初めて飲むワイン。
イタリア、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のシルクが造る、コリ・オリエンタル・デル・フリウリ、クラドレチス、シャルドネ、2019年。
シルク家は1939年からワイン造りを行い、現当主は三代目。
現当主はガヤやフェッラーリなど名だたるワイナリーで経験を積んだ後、現在は自らのワイナリーを運営すると共に、カンパーニャ州の名門、フェウド・ディ・サン・グレゴリオのぶどう栽培責任者を務めている。
シルクは単一ぶどう品種でのワイン造りで評価が高い造り手。
このシャルドネも濃厚な果実味を持ちながら、綺麗な酸と活き活きとしたミネラルを持ち、とてもレベルが高い。
フリウリの白は好みだが、これで好きなワインがまた一つ増えた。
プリモピアットに合わせる。
愛媛甘とろ豚の自家製ハムとラグー、びわ茶葉を練り込んだタリオリーニに絡めて、ペコリーノチーズの香り。
愛媛甘とろ豚は、裸麦で育てたブランド豚。
ラグーがたっぷりで、ハムと合わせると肉料理と思えるほど。
これは面白く素晴らしいプリモピアットだ。
最後はハムでくるんで食べて下さいとのこと。
これが驚きの美味しさ。
日本橋のリストランテで彼女と過ごす、素敵な夜は続きます。