京橋の「アーティゾン美術館」でちぃさんと過ごす楽しい美術鑑賞の続き。
いよいよ最後の展示は、”ピカソとミロの版画-教育普及企画-”。
ピカソとミロの関係について、ふむふむと熟読。
ピカソは多作で時代と共にその画風が変化していることは、バルセロナ、パリ、ニューヨークの幾つかの美術館巡りで知っていたが、版画を2,900点も制作していたことは初めて知った。
マン・レイ、「アトリエのパブロ・ピカソ」。
ピカソはなかなかの好男子。
パブロ・ピカソ、「闘牛の退場」(1945年) リトグラフ。
少年時代から晩年まで闘牛観戦を好んだピカソにとって、闘牛は繰り返し描いたテーマの一つ。
パブロ・ピカソ、「四人の子どもに見られる羽のはえた牛(「ヴォラールのための連作」より)」(1934年) エッチング。
「ヴォラールのための連作」は、画商アンブロワーズ・ヴォラールが1930年から1937年にかけてピカソが製作した100点の銅板を買い取り、刷り師ロジェ・ラクリエールに刷らせたもの。
エッチング、ドライポイント、アクアチントなど、複数の技法が用いられている。
石橋財団コレクションにはその内46点が収蔵されている。
パブロ・ピカソ、「サーカス(「ヴォラールのための連作」より)」(1933年) ドライポイント。
この連作では、アトリエの画家/彫刻家とモデル、闘牛、ミノタウロス、サーカスなど、ピカソが油彩画でも取り上げたテーマが使われている。
そして繰り返し登場する女性像のモデルは、当時ピカソのミューズだったマリー=テレーズ・ワルテル(1909-1977)。
パブロ・ピカソ、「パレットを持つレンブラント(「ヴォラールのための連作」より)」(1934年) エッチング。
1934年1月に製作された4点のエッチング作品にはレンブラントが登場している。
パブロ・ピカソ、「レンブラントと二人の女(「ヴォラールのための連作」より)」(1934年) エッチング。
パブロ・ピカソ、「頭部像を見る二人の女(「ヴォラールのための連作」より)」(1933年) エッチング。
パブロ・ピカソ、「彫刻と花瓶(「ヴォラールのための連作」より)」(1933年) エッチング、アクアチント。
パブロ・ピカソ、「三人の役者(「ヴォラールのための連作」より)」(1933年) ドライポイント。
パブロ・ピカソ、「四人の裸婦と頭部像(「ヴォラールのための連作」より)」(1933年) エッチング、エングレーヴィング。
アンドレ・ドラン、「黄金時代と約束の地(ジョルジュ・デュアメルほか著「葡萄酒、花、炎」のための挿絵)」(1952年刊) 銅版原版。
パブロ・ピカソ、「コンポジション」 シルクスクリーン。
パブロ・ピカソ、「カルメン(プロスペル・メリメ著)のための挿絵」(1949年刊) エングレーヴィング。
パブロ・ピカソ、「詩とリトグラフ」(1954年刊) リトグラフ。
1935年から詩作に取り組み、1959年までに340篇以上の詩を書いている。
この本は、1941年以降の詩を自身の文字と挿絵で綴ったもの。
パブロ・ピカソ、「バッカス祭Ⅱ」(1959年) リトグラフ。
ピカソはギリシャ神話、ローマ神話を題材とした作品を多く残している。
酒神バッカスを祀る祝祭の様子が賑やかに描かれている。
パブロ・ピカソ、「ケンタウロスの争いⅣ」(1959年) リトグラフ。
ケンタウロスはギリシャ神話に登場する半人半獣の種族。
シンプルな線で描かれているが、とても躍動感がある。
ピカソの版画の展示はここまで。
次はミロの版画に移ります。