「丸の内テラス」の『エスプリ・ド・タイユヴァン』で彼女と過ごす楽しいランチの続き。
壁には『タイユヴァン』のワイン・コレクション。
「地震が来たら大変ね」と彼女。
でもよく見ると、ボトルのネックをワイヤーで壁に固定していた。
クレマン・ド・ブルゴーニュの次に飲むワインはセラーからボトルで選ぶ。
『タイユヴァン』のソムリエが選んだフランスの銘醸ワインがずらりと並び、ここでいくらでも時間を過ごせそう。
彼女が好きな、ブルゴーニュ、コート・ド・ニュイのピノ・ノワールを選ぶ。
フィサンに本拠地を置く、ドメーヌ・ピエール・ジュランが造る、フィサン、2015年。
ピエール・ジュランはフィサン随一と言われる造り手で、フィサンとジュヴレ・シャンベルタンに合わせて13ha余りの畑を保有している。
その中でも秀逸な畑は、プルミエ・クリュのクロ・ナポレオンで、私達が大好きなワイン。
二年ちょっと前にブルゴーニュを旅した時に、ドメーヌ・クヘイジの伊藤さんにご案内いただき、クロ・ナポレオンの畑を観に行ったことを思い出す。
クロと名が付くだけあり、畑の周りは石垣で囲まれている。
コルクの品質はとても良く、状態も素晴らしい。
またまた良いグラスが出された。
飲み口の縁の薄さ、ステムの細さが素晴らしい。
ストロベリー、フランボワーズなどの赤い果実の香り。
口に含むと、豊かな果実味がじわりと広がる。
カシスやプルーンのニュアンスに加え、鉄や腐葉土のヒントも。
やはりピエール・ジュランのフィサンは美味い。
ピノ・ノワールの樹齢は35年、樽熟成期間は18か月で、新樽比率は10~25%と低い。
アルコール度数は13.5%と高め。
メイン料理、ブフブルギニヨンが届く。
ブルゴーニュの肉料理にブルゴーニュの赤ワイン、合わないはずがない。
見た目も美しいが、圧巻なのは肉の大きさ。
長時間煮込まれた肉はとても柔らかく、口の中でとろけてしまう美味しさ。
食後も残ったワインを飲みながら、ソムリエの保坂さんを交えて三人の会話が楽しい。
グラスを上から見ると、色合いがとても薄く見える。
部屋全体が明るいので、ディナーの時のような綺麗な光の像は結ばない。
この素晴らしいワイングラスのメーカーは、オーストリア、ニーダーエスターライヒ州のノイナーゲルベルグにあるザルト。
ザルトのワイングラスは鉛を一切使わないカリ・クリスタルで、一脚ずつハンドメイドで造られている。
ザルト、デングアートは、オーストリアの著名なワイン専門家、ハンス・デング司祭の助言によって開発されたシリーズ。
ゆっくり食べのんびり飲んだランチの〆は、コーヒー。
ソムリエやスタッフの皆さんに今日の礼を述べ、次の予約もお願いし、店をあとにする。
丸の内仲通りに出ると、驚いたことに街路樹のイルミネーションが灯っている。
遅めのランチと言いながら、長居をしてしまった。
『タイユヴァン』の料理とワインを気軽に楽しむことができる良い店だ。
次はディナーで訪問したいと思うが、そのためにもコロナの早急な終息を願いたい。
折角イルミネーションが灯ったので、丸の内仲通りを散策することにする。
彼女と過ごす丸の内の楽しい午後でした。