横浜に新規開業したラグジュアリーホテル、「ザ・カハラ・ホテル&リゾート・ヨコハマ」で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
クリスマス・ディナーは、ホテル内のイタリアン、『リストランテ・オッツィオ』。
プリモ・ピアットは、フェットチーネ・オマール、ソースコラリーヌ。
ソースが注ぎ込まれる。
コラリーヌソースは海老の味噌のみを使って作られた濃厚なソース。
オマール海老の上には、軽く炙られた黒トリュフ。
海老とトリュフの香りの競演。
贅沢なプリモ・ピアットだ。
白ワインを飲み干すと、抜栓しておいた赤ワインを飲むことにする。
トスカーナの、レ・ヴォルテ・デル・オルネライア、2016年。
サッシカイア、グラッタマッコと並ぶ三大ボルゲリの一角を占めるスーパータスカン、オルネライアのサード・ラベル。
コルクの状態はとても良い。
濃いルビー色。
カシスやブラックベリーの香り。
濃密な果実味、滑らかなタンニン、長い余韻、オルネライアの血統を受け継ぐ美味い赤だ。
セパージュは、メルロー70%、サンジョヴェーゼ15%、カベルネ・ソーヴィニョン15%。
ここのカトラリーは、フランスの銀器の老舗ブランド、エルキューイ。
有名レストランで多く採用され、オリエント急行の食堂車で使われているのもエルキューイなのだ。
これもクロッシュと呼ぶのだろうか、ガラスの保温カバーがかけられた料理が届く。
ペッシェは、レタスに包まれた金目鯛とフォアグラのヴァプール、白ワインヴィネガーを効かせたソースシャンパーニュ。
ここにも黒トリュフ。
二つに切り分けると、中には金目鯛とフォアグラがたっぷり。
この料理もまさにフレンチ。
さすが『レストラン ロオジェ』出身の大塚浩介シェフの料理は素晴らしい。
カルネ用にラギオールが出される。
しっとりなめらかなテクスチャー、フランス産ピジョン・ロティ、そのジュ、オニオンキャラメリゼとプティポワパイケース。
「今夜は鳩なのね、ありがとう」と、鳩が大好きな彼女は大喜び。
胸肉の焼き色が食欲をそそる。
腿肉はカリッと焼いて。
赤い肉はささみ。
やはり鳩は美味い。
大塚シェフに感謝の逸品。
ここでソムリエから嬉しいプレゼント。
「先程ブルゴーニュがお好きだとお聞きしましたので、よろしければこれをどうぞ」と出されたのは、ドメーヌ・フルーロ・ラローズ、サントネイ、プルミエ・クリュ、クロ・デュ・パス・タン、モノポール、2015年。
ドメーヌ・フルーロ・ラローズはコート・ド・ボーヌのサントネイに本拠地を置き、その館は元々はDRCのオーナーがワイン貯蔵庫として建設したもの。
地上三階、地下二階で、地下の各階には1,000樽保管することができる。
現当主は四代目のニコラ・フルーロ氏で、奥様は日本人の久美子夫人。
サントネイとシャサーニュ・モンラッシェにプルミエ・クリュのモノポール畑を所有している。
これが地下の保管庫。
戦前の樽もまだ保管されているのだそうだ。
透明感のあるルビーレッド。
フランボアーズやストロベリーの香り。
口に含むと豊かな果実味を持ち、紅茶、シガー、鉄、広葉樹の落ち葉などの複雑なニュアンス。
タンニンは円やか。
新樽使用を抑え、ぶどう本来のポテンシャルを引き出した、良い造りのピノ・ノワールだ。
レ・ヴォルテとサントネイの並行飲み。
こうしてダウンライトに浮かぶワインアートを見比べると、色合いの差が良く分かる。
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート」の『リストランテ・オッツィオ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。