神楽坂にある大好きなイタリアン、『しゅうご』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
スパークリング、白をグラスで飲んだ後は、ボトルで選んで抜栓しておいた赤ワインを出してもらう。
イタリア、ピエモンテ州のエレーナ・ジュゼッペが造る、バローロ・デル・コムーネ・ディ・ラ・モッラ、2015年。
エレーナ・ジュゼッペは、バローロ五大産地のひとつ、ラ・モッラ村に本拠地を構える造り手。
色合いは淡いルビー色。
口当たりは柔らかだが、その後に赤果実の熟成感、強いが滑らかなタンニンが口中に広がる。
アルコール度数は14.5%と高いが、果実味がしっかりあるのでアルコール・アタックは感じない。
実にエレガントなバローロだ。
プレス後、果皮と共に45~60日かけて野生酵母でゆっくり発酵。
バローロ伝統のオークの大樽で30ヶ月熟成、無濾過でボトリング後に更に9~12ヶ月間熟成させてからリリースされている。
透明感のある美しいルビー色。
ダウンライトにかざすと、ダイヤモンドが光輝く指輪が現れた。
今夜も満席で周悟シェフは大忙し。
そんな中でも私たちの食べる様子をしっかりチェックし、料理を出すタイミングを計って調理し、丁寧に説明してくれるのがありがたい。
井さんのあか牛赤ワイン煮とりんごの吉田牧場カッチョカヴァッロ焼き。
熊本県阿蘇郡産山村で井信行さんが育てる”くまもとあか牛”は大好きなブランド。
「これだけは済みませんが取り分けて食べて下さい」とのこと。
あか牛の旨み、りんごの酸味、カッチョカヴァッロの塩味が融合され最高に美味い。
カッチョカヴァッロは南イタリアの瓢箪型のフォルマッジオで、焼いて食べると美味しい。
カウンターの上に、空輸で届いたばかりのフレッシュポルチーニが置かれている。
そこでフレッシュポルチーニをたっぷり使ってパスタを作ってもらった。
プリモ・ピアットは、フレッシュポルチーニのスパゲティ、カラスミかけ。
フレッシュポルチーニは香りも良くとても美味い。
でも、とても高価でもある。
しつこく麺リフトも撮影。
「早く食べないと冷めちゃうわよ」と彼女。
セコンド・ピアットは予約時に、美味しい蝦夷鹿を仕入れてくれるように頼んでおいた。
豊頃町産蝦夷鹿のロースト、りんごのピューレ、煮胡椒添え。
二歳の雄のエゾシカの、モモ肉シンタマを仕入れておいてくれた。
この焼き色を見ただけで昇天してしまいそうだ。
柔らかくジューシーで言い尽くせないくらい美味い。
周悟シェフは私たちの好みをわかってくれているので、安心して食事を楽しむことが出来る。
もうお腹はいっぱいだが、彼女はしっかりドルチェまで食べると言うので、私もお付き合い。
彼女が選んだのは、高野さんの栗のテリーヌ。
高野さんの栗は、埼玉県秩父市の高野栗園の栗のこと。
私のドルチェは、吉田牧場カマンベールチーズケーキ。
吉田牧場は岡山県吉備中央町にある酪農牧場兼チーズ生産工房。
濃厚なチーズケーキが美味い。
〆はコーヒーが満杯の胃を癒してくれる。
満腹満足で店をあとにする。
周悟シェフが忙しい手を休め、見送りに出てくれた。
今夜も最高に美味しい料理をありがとうございました。
神楽坂通りを下り、毘沙門天の前を過ぎる。
『しゅうご』に長居をしたようで、神楽坂を歩く人も少なくなっている。
ファミマの前で彼女が立ち止まり、私の方を見る。
おっと忘れるところだった。
彼女の朝食用のサラダを幾つか購入し、帰途に就く。
彼女と過ごす神楽坂の夜は素敵に更けていきました。