六本木の邸宅フレンチ、『オーベルジュ・ド・リル トーキョー』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
黒毛和牛フィレ肉と茄子のロティ、生山葵と雲丹クリーム、ソース・ヴァンルージュ。
鹿児島県産の黒毛和牛は柔らかく濃厚な旨味を持つ。
生山葵は福岡県産で、山葵の葉が添えられている。
雲丹の味わいも素晴らしい。
何故か赤ワインのグラスが二つ。
そうだ、二人に注いでもらった時、量がぴったり同じに見えたのでグラスを並べてみたのだ。
ソムリエの技、恐るべし。
飲んでいる赤は、スッド・ウエスト、マゼランのドメーヌ・アラン・ブリュモンが造る、シャトー・ラロッシュ・ブリュモン、レグリース、2009年。
使われているぶどうのタナは、語源がタンニンというだけあって濃厚で強いワインを生み出す。
ダウンライトにかざしてみても、光を透過しないのでテーブルクロスに像は浮かばない。
ダイニング・ルームは地下一階から一階まで吹き抜け。
高い天井からは美しいシャンデリアが吊るされ、柔らかな光が降り注ぐ。
テーブルの数を減らしているとはいえ、今夜も満席。
やはり人気のレストランだ。
プレデセールは、ピオーネとフロマージュブラン。
いっぱいになったお腹を甘いピオーネが癒してくれる。
ピオーネは福岡産。
デセールは、洋梨のコンポート、サバイヨンソース、キャラメルのアイスクリーム添え。
洋梨のコンポートは大好き。
洋梨を初めて食べたのは、ザルツブルクでのこと。
大学生の時に、ロンドン大学のサマースクールに参加した。
スクールが終わった後、ヨーロッパ諸国を旅した。
丁度ザルツブルク音楽祭が開催されていたので列車を乗り継いで夜にザルツブルク駅に降り立った。
宿は安いB & Bだったので、夕食はない。
貧乏学生でレストランに行く金はない。
店を閉めかけていた果物屋があったので、売れ残っていた洋梨をただみたいな値段で20個ほど分けてもらった。
この時ほどドイツ語を第二外国語に選んでいて良かったと思ったことは無い。
ホテルの部屋で食べた熟した洋梨は驚くほど美味しかった。
濃いコーヒーがいっぱいになったお腹を癒してくれる。
ミニャルディーズは三種類。
ピスタチオのマカロン、アールグレイのケーキ、ライチのゼリー。
お腹はいっぱいと言いながら、コーヒーは二杯目。
「今夜も楽しかったわ。ありがとう」と彼女。
彼女は、ここが『ザ・ジョージアンクラブ』だった頃から好きな場所なのだ。
満席だった店内も、半分のテーブルは既に客の姿は無い。
今夜もゆっくり食べて飲んでいたので長居をしてしまった。
レシートホルダーにも、先代のポール・エーベルラン氏の水彩画。
彼の絵には必ず川が描かれている。
これは『オーベルジュ・ド・リル』の畔を流れるイル川で、店名になっている川なのだ。
一階に上がり、彼女のお化粧直しをバーで待つ。
バーから見る廊下。
右に下ればダイニング・ルームで、先の階段を二階に上がれば個室がある。
夜になりライトアップされた館が一層素敵だ。
夜風にあたりながら、六本木ヒルズに向かう。
66プラザの樹々の間からは東京タワー。
何時もの成城石井で彼女の朝食用のサラダを幾つか購入。
改装されて綺麗になった。
彼女と過ごす六本木の夜は素敵に更けていきました。





















