鎌倉記事はちょっとひと休み。
昨年12月のこと、彼女と六本木で待ち合わせ。
東京ミッドタウン六本木を出て外苑東通りを渡る。
今夜もイルミネーションが綺麗だ。
帰りにはミッドタウンガーデンを散策しようと思う。
国立新美術館は既に閉館しているが、今夜のお店はこの中。
門を抜け、エントランスに向かう。
今夜のお店、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』はこの上にある。
テーブルは断崖絶壁の上。
横から見ると怖いが、テーブルに着くと恐怖心は消える。
最近、ここに来ることが多くなった。
今夜はどんな料理とワインに出会えるのか楽しみだ。
最初のワインは定番のスパークリング。
ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2016年、プール・ヒラマツ。
ヴーヴ・アンバルは1898年創業の、クレマン・ド・ブルゴーニュの元祖と言えるクレマン専業メゾン。
泡立ち、果実味、熟成感、素晴らしいクレマンだ。
特に2016VTは果実味に深みがあって美味い。
バケットも届く。
ここのバゲットは他の系列店に較べて少し細身。
外はパリパリ、中はしっとりで美味い。
パンのお供はカレー風味の鶏のリエット。
パテ・ド・カンパーニュとフォアグラのソテー、プルノーのコンポート。
似たような料理に、パテ・アンクルート、パテ・ド・カンパーニュ、テリーヌとあるが、最近はパイ皮で包まないパテ・ド・カンパーニュもあり、テリーヌとの区分が不明確になってきた。
このパテ・ド・カンパーニュもパイ皮が使われていないが、濃厚で美味い。
パテ・ド・カンパーニュだけで良いとも思うのだが、植田シェフのコース料理にはフォアグラはつきもの。
フォアグラが加わると、一層贅沢な前菜となる。
パテ・ド・カンパーニュにプルノー(プラム)のコンポートを付け、さらにバゲットに乗せて食べると美味い。
クレマンとも良く合う。
クレマンは既に4杯か5杯目。
白は、アルフォンス・メロが造る、レ・ペニタン、コート・ド・ラ・シャリテ、シャルドネ、2009年。
大好きなワインだが、まだ2009年が残っていたとは驚き。
松尾支配人に聞くと、貯めこんでいた最後のロットなのだそうだ。
他の店では既に2011年にVTが代わっている。
アルフォンス・メロはロワール、サンセールで19代続く名門だが、このワインはサンセールとシャブリの中間にあるコトー・シャリトワで造られている。
熟成が進んだシャルドネは美味い。
濃厚な果実味、微かなエステエル香、それを酸が上手くまとめている。
でもピークを少し過ぎた感は否めないが、彼女は美味しいと言ってくれるのでひと安心。
真鱈のムニエル、じゃがいものエクラゼとほうれん草のエチュベ、ケッパー風味の焦がしバターソースとベアルネーズソース。
一つの皿に複数のソースを使った料理は好きだ。
ムニエルされた真鱈は、外はパリッと中はふわっとで美味い。
焦がしバターソースはケッパー風味になっているが、真鱈の上にもケッパーがのっている。
真鱈の身をほぐし、ベアルネーズソースを付けて食べる。
バターの香ばしさと、ベアルネーズの濃厚さが混ざり、とても美味。
彼女と過ごす、国立新美術館の『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』の楽しい夜は続きます。