夏のある日のこと、六本木でちぃさんと待ち合わせ。
向かったのは、東京ミッドタウン六本木。
今夜は素敵なフレンチでディナーなのだ。
レストランの予約時間までまだ10分あるので、ミッドタウン・ガーデンを少し散策することに。
今夜のレストランは、このガーデンテラスの最上階、緑の植栽のあるところ。
ミッドタウン・ガーデンの今年の夏の企画は、ロク・ミッドパーク・ラウンジ。
そして芝生広場では、光と霧のデジタルアート庭園。
周りの縁側に腰かけてのんびり鑑賞することが出来る。
今夜のレストランは、『フィリップ・ミル東京』。
ランスにある二つ星レストラン、『レ・クレイエール』の総料理長、フィリップ・ミルが日本に初めて開いたお店。
シェフ・ソムリエの椨さんに迎えられ、テーブルに案内される。
店内は広く、幾つもの部屋に分かれている。
私のテーブルは何時もメインルームの窓際の席。
ちぃさんもこのテーブルが気に入ってくれたようだ。
窓の外には広いテラス。
最初はシャンパーニュ。
シャンパーニュ地方の中心都市、ランスにあるお店の東京店だけに、シャンパーニュの品揃えは圧巻。
今夜のシャンパーニュは、高評価のレコルタン・マニピュラン物。
ジュール・ラサール、キュヴェ・プレフェランス、ブリュット、NV。
モンターニュ・ド・ランス地区にある、女性三代で運営する珍しいメゾンで、クリュッグやボランジェと並ぶ五つ星評価を得ている。
ちぃさんと、乾杯。
熟した洋ナシや白桃の香り、それにブリオッシュや炒ったアーモンドのノートが続く。
強い熟成感を持ち、酸とミネラルのバランスも美しい。
ジュール・ラサールの畑は全てプルミエ・クリュかグラン・クリュで、ぶどう栽培はリュット・レゾネ。
ラ・キュヴェ(一番搾り果汁)のみを用い、このスタンダード・キュヴェでも瓶内熟成期間は4年以上ととても長い。
セパージュは、ピノ・ムニエ60%、ピノ・ノワール20%、シャルドネ20%。
二種のプティサレ。
トマトのムースのタルト、リコッタチーズのタルト。
アミューズは、アスパラガスのムース。
ムースの中には、角切りのアスパラガス。
皿を縁取るのは、カリッと焼かれたバゲットの薄切り。
バゲットも届く。
テーブル上には、E.V.オリーブオイルと、小さなオブジェ。
シャンパーニュのミュズレを用いて作られているとは、流石ランスのレストラン。
白ワインは、南ローヌを代表する造り手、ファミーユ・ペランのラ・ヴィエイユ・フェルム、リュベロン・ブラン、2018年。
このボトルは、『ひらまつ』のスペシャル・ボトル。
ファミーユ・ペランの名前に加え、『ひらまつ』の名前とマーク、”HK”も入っている。
このマークは、平松宏之・慶子夫妻の名前のイニシャルを合わせたもの。
再びちぃさんと乾杯。
グレープフルーツや青りんごの爽やかな香り。
綺麗な酸もあり、後味にはへーゼルナッツのニュアンス。
セパージュは、グルナッシュ・ブラン30%、ブールブーラン30%、ユニ・ブラン30%、ルーサンヌ10%。
東京ミッドタウン六本木の『フィリップ・ミル東京』で、ちぃさんと過ごす楽しい夜は続きます。