パリからルチルんさんをお迎えし、”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』での楽しいディナーの続き。
メンバーは、ルチルんさん、彼女、そして私。
最初のワインは、ヴーヴ・アンバル、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2016年、プール・ヒラマツ。
ブルゴーニュを代表するクレマン専業メゾン、ヴーヴ・アンバルが『ひらまつ』のために造る、スペシャル・キュヴェ。
ルチルんさんとの再会を祝し、三人で乾杯。
細かな泡立ちを持ち、果実味、酸味、ミネラルのバランスが素晴らしいクレマンだ。
美味しいので、立て続けに三杯を飲んでしまう。
トウモロコシのデクリネゾン、コンソメのジュレ、生ハムを巻いたグリッシーニと共に。
デクリネゾンとは、ひとつの素材を用いて色々な調理法で料理を作ることで、ここではトウモロコシでフラン、ムース、天麩羅が作られている。
生ハムを巻いたグリッシーニは、ちょっとイタリアっぽい。
このフランの容器が可愛くて好きだ。
名前を見ると、銀座店専用の器であることがわまる。
「この器、欲しいね」と私。
「家でフランは作らないし、スープには小さいし、使わないと思うわ」と彼女は冷ややか。
何時ものバゲット。
フランス製の冷凍生地をここで焼いたもの。
白ワインは、アルザスのトリンバックが造る、ピノ・グリ、キュヴェ・パルティキュリエール、2014年。
トリンバックはアルザスを代表する造り手で、フランスの全ての三ツ星レストランにオン・リストされている。
そのトリンバックが、『ひらまつ』のために造るスペシャル・キュヴェ。
素晴らしい果実の凝縮感と綺麗な酸。
洋梨、アプリコットのニュアンス。
やはりトリンバックは美味い。
ルチルんさんと彼女が楽しそうに話しているのを見ると、私も嬉しくなる。
秋田県八森産夏鱈のムニエル、ジャガイモのエクラゼ、レフォールの香り、ソース・ブール・ノワゼット。
夏鱈とは珍しいが、美味しいのだそうだ。
掛けられているのは、レフォール、西洋わさびの泡。
ソースは、ズッキーニのコンフィのピューレ。
ジャガイモのエクラゼも、料理に良いバランスをもたらしてる。
赤ワインは、ブルゴーニュ、コート・シャロネーズのリュリーに本拠地を置くクローディ・ジョバールが造る、リュリー、ラ・ショーム、2017年。
リリースされたばかりのヴィンテージを試してみる。
ブルゴーニュの2017年はGood Year。
そう言えば、昨年ブルゴーニュを訪問した時に、ドメーヌ・クヘイジの伊藤さんからもそう伺ったことがある。
フレッシュ感があるが、タンニンも酸もまだまだ硬い。
何時も飲んでいる2011年の方がやはり美味い。
これは今買っても、数年寝かせた方がよさそうだ。
私のセラーには、まだ2009年と2011年が残っているので、大切に飲むことにしよう。
オレガノビーフのロースト、ソース・ディジョネーズ、舞茸のフリット、ブロッコリーのグラタンと一緒に。
肉はカイノミ。
この焼き色が食欲を誘う。
ディジョンマスタードを使ったソース・ディジョネーズとの相性も抜群に良い。
熱々のブロッコリーのグラタンが添えられている。
これは如何にもリヨン料理だ。
ルチルんさんと彼女と過ごす、『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』の夜は続きます。