六本木の国立新美術館の中にある、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』で友人達と開催した楽しいワイン会の続き。
メンバーは、KEiさん、Chocolatさん、ちぃさん、りりかさん、redfoxさんと私。
クレマン・ド・ブルゴーニュのロゼ、辛口のソーテルヌの白を飲んだあとは、大好きな造り手の白・赤飲み較べ。
ブルゴーニュ、コート・シャロネーズ、リュリーのクローディ・ジョバールが造る、リュリー、モンターニュ・ラ・フォリ、2009年と、リュリー、ラ・ショーム、2015年。
モンターニュ・ラ・フォリは既に2011年ヴィンテージに切り替わっているが、2009年が美味しいので、セラーに残っていた最後の一本の2009年を今夜の為に確保しておいてもらった。
クローディ・ジョバールはブルゴーニュで注目の女流醸造家で、自らのドメーヌを運営する傍ら、ブルゴーニュを代表するネゴシアンのひとつ、ルモワスネの醸造責任者も務めている。
鰆のロースト、アーモンドの香る焦がしバターソース、薩摩芋のクレープを添えて。
皮をしっかりと焼いた鰆の香りとアーモンドの香りが鼻腔をくすぐり、食欲を増進させる。
たっぷりのエシャロット、エストラゴンが入り、酸味の効いたベアルネーズソースが鰆に良く合って美味い。
続いて、ローヌとボルドーの強いワインの飲み較べ。
南ローヌを代表する造り手、ファミーユ・ペランが造る、ジゴンダス、ラ・ジル、2010年。
シャトー・ヌフ・デュ・パプに匹敵するポテンシャルを持つ素晴らしいボディ。
年毎に比率は異なるが、2010年はグルナッシュ60%にシラー40%のセパージュのようだ。
ボルドーは、リュサック・サンテミリオンのシャトー・リオナ、キュヴェ・エモーション、2009年。
メルロー100%で樹齢は100年、新樽100%で18ヶ月熟成された特別なキュヴェ。
元々は家族用に造られていたワインだが、人気になり外販されるようになった。
低温でゆっくりと火を通した薩摩香潤鶏胸肉、ソース・シュプレーム、西洋牛蒡のグラッセとバターライスと共に。
大きな胸肉が三枚もあり、バターライスと合わせて食べると美味しいが、ヴォリュームが半端ではない。
植田シェフはリヨン本店の料理を忠実に再現しているが、量もフランス並み。
気が付くと、広い店内には私達だけ。
静寂に包まれた美術館は、まさに”ナイト・ミュージアム”。
でもここは博物館ではないので、ネアンデルタール人や恐竜の骨格見本に襲われることはない。
デセールは、温かいヴァローナチョコレートのフォンダン、”ヴァローナインスピレーションフレーズ”のガナッシュ。
中からは熱々のベリーソースが流れ出す。
フォンダンショコラは大好物なので嬉しいデセール。
食後はコーヒー。
今夜の料理とワインについて語り合うこの時間が好きだ。
今夜飲んだワイン達。
Chocolatさんが綺麗に揃えてくれた。
そしてコルク達。
良く見ると、並び方がボトルと逆になっている。
これを並べたのは私。
友人達との楽しい時間もお開きとなり、がらんと静まり返ったお店をあとにする。
一階に下り、上を見上げる。
今までこの上で食事をしていたとは、何だか不思議な感じ。
正面入り口はもう施錠されているので、横の非常口から外に出る。
おや、今夜は満月のようだ。
木立ちの黒い影の上に顔を出す六本木ヒルズ。
遠くには東京タワー。
最後に後ろを振り返ると、国立新美術館は既に眠りの時を迎えている。
友人達と過ごす、ミュゼでの楽しい夜でした。