銀座の『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で開催した、”ひらまつ蔵出しプレミアム・ワインの会”の続き。
『ひらまつ』のセラーから私が選んだワインと、それに合わせた星野料理長の特別コース料理を楽しむ会である。
参加者は、うっかり姫さん、鬼瓦権造さん、しづちゃん、taiyakiさん、poohcoco-papaさん、mayuさん、ミクリンさん、そして私。
三種類目、五本目のワインは、ブルゴーニュの赤。
ルイ・ジャドが造る、ジュヴレ・シャンベルタン、2005年。
ルイ・ジャドはネゴシアンであると同時に、ブルゴーニュ全土に210haの優良畑を有する大ドメーヌでもある。
フランボワーズやラズベリー、ブラックベリーの素敵な香り。
果実味、酸、タンニン、全てのバランスが絶妙。
やはりルイ・ジャドのジュヴレは美味い。
四種類目、六本目のワインは、モンジャール・ミュニュレが造る、ヴォーヌ・ロマネ、2006年。
モンジャール・ミュニュレはヴォーヌ・ロマネに本拠地を置く名門で、現当主の先代はヴォーヌ・ロマネ村の村長を務めた人物。
北はマルサネから南はサヴィニー・レ・ボーヌまで、33haを保有する大ドメーヌ。
特にエシェゾー、グランエシェゾーに持つ畑の大きさは、DRCに次ぐ規模。
モンジャール・ミュニュレのヴォーヌ・ロマネはさすがに素晴らしい。
甘い果実味を持ちながら、骨太なストラクチャーを持つ。
綺麗な酸を併せ持ち、樽由来のヴァニラのヒントも心地良い。
ピノ・ノワールの樹齢は35年~70年、新樽比率は30~40%。
真鯛と帆立貝のフイユテ、季節野菜と共に、ソース・ショロン。
フイユテは、折り込みパイ生地のこと。
パイの包み焼きを切り分けると、中には鯛と帆立貝がぎっしり。
ソース・ショロンはソース・ベアルネーズにトマトピューレを加えたもので、『ポール・ボキューズ』のスペシャリティ、鱸のパイ包み焼きに使われるソース。
五種類目、七本目と八本目のワインは、ボルドー、サンテステフのシャトー・トロンコワ・ラランド、クリュ・ブルジョワ・シュペリューヌ、2005年。
サンテステフの2級格付けグラン・クリュ、シャトー・モンローズと同じオーナーが手掛けるワインで、近年品質が向上している。
ここで再びセパージュ当てクイズ。
プティ・ヴェルドを除いた残り約90%での、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローの比率を当てる出題。
これはちょっと難しかった。
サンテステフなので、ボルドー左岸にしてはメルロー比率が高いと皆さん予想。
シャトーの作付面積は、カベルネ・ソーヴィニヨン48%、メルロー48%、プティ・ヴェルド4%なのだが、この2005年に関しては、カベルネ・ソーヴィニヨン59%、メルロー32%、プティ・ヴェルド9%なのだ。
比率が一番近い勝者は、ミクリンさん。
牛サーロインのロースト、赤ワインソース、エシャロットのコンフィー、プティ・ポワのフランセーズと共に。
素敵な焼き色。
プティ・ポワ・ア・ラ・フランセーズとの相性も良い。
付け合わせは、グラタン・リヨネーズ。
熱々のマカロニが美味い。
話が弾んでとても楽しいので、私から皆さんにディジェスティフのプレゼント。
ボルドーの、シャトー・デュ・モンが造る、サント・クロワ・デュ・モン、2011年。
ソーテルヌのガロンヌ川を挟んだ対岸、サント・クロワ・デュ・モンで造られる貴腐ワイン。
樹齢60年のセミヨンから造られている。
切れの良い自然な甘さがたまらなく美味い。
デセールは、グランマルニエのスフレ、ヴァローナ・チョコレートのアイスクリーム添え。
素敵な香り。
フワフワのスフレが美味しそう。
ヴァローナ・チョコレートは大好き。
そのアイスクリームとは、嬉しい限りだ。
スフレを一口食べ、開いた穴にアイスクリームを落とし込む。
最高に美味い。
〆は、濃いコーヒー。
料理とワインでいっぱいになったお腹を癒してくれる。
今夜抜栓したボトルのコルクは、どれも状態が良い。
今夜飲んだワインのボトル達に見送られ、満ち足りた思いで席を立つ。
暮れ行く銀座の街を眺めようと思っていたが、話しに夢中になり外を全く観ていなかった。
夕方のまだ明るい時間に会を始めたが、気が付くと4時間半が経過し、窓の外は夜の帳に覆われている。
遠くに白く見えるのは、実際には赤い東京タワーの光。
星野料理長、今夜もお世話になりました。
素晴らしい料理を堪能させていただきました。
そしてご一緒させていただいた皆様、素敵な時間を共有することができ、ありがとうございました。
またお会いできますことを楽しみにしています。
マロニエゲート1の前で皆様にお別れをし、夜風に吹かれながら銀座の街を少し散策。
ボッテガ・ヴェネタのショーウィンドウに、珍しくマネキンが置かれている。
銀座通りでは4人のバンドが路上ライヴを行っている。
なかなか上手い演奏だ。
丸の内仲通りでも見かけたが、東京都でも路上ライヴへの理解が広まり、規制が緩くなってきたのだろうか。
友人たちと銀座で開催したワイン会の夜は、楽しく更けていきました。